中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第6期「紬きもの塾‘14」が開講しました!

2014年04月10日 | 紬塾 '13~'16


今期も「紬きもの塾」スタートしました。
遠方からの方を含め4名の方と来年1月まで一緒に勉強させてもらいます。
今期もよろしくお願いいたします。

先日の「宗廣力三生誕百年記念展」、みなさん実作をご覧になっていたこともあり宗廣作品にとても関心を持っていただきました。

私の絣の小綛を使って、丸や、籠目、この写真の立涌などのデザインが、反物の耳に遊びの余った糸が出ていないのになぜ織れるのかも説明しました。
絣の括りは極くシンプルですが織るのは技量を要します。

また、先生独特の染め方で「どぼんこ染め」と呼ばれているぼかし染の方法の説明など、技法上の話もしました。
この技法と、手結の絣技法の相乗効果もあります。先生の仕事は数学的です。

制約のある絣技法を使いながら大きな奥行きのある空間を感じさせるこれらの作品は、宗廣作品の中でも最も重要な、かつ創作に大切な意味も込められたものと思っています。
この技法の説明をしている時に、参加者のお一人から
「制約を逆手にとっているんですね」という言葉がありましたが、
制約の中から自然なかたちでギリギリの可能性を見出す。
自然の理と人智を共鳴せている。

また「とてもスゴイ作品だけれど、誰が着ても似合いますね」という感想もありました。
デザインもシンプルで色数も抑えられているのに深味があって、包容力がある。
織物だけでなく様々なことにも生かしていきたい学びがあるように思います。

紬きもの塾の染織実習コースはシンプルでも深いもの作りを体験してもらいたいと思ってのことです。

また基礎コースでも、着物を着ることもシンプルに、でも奥行きのある着方や取合せを学んでもらいたいと願っています。

参加者のみなさんからも手応えを感じる第一回のオリエンテーションでした!



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