Y男の日誌

映画を見た、本を読んだ、どこに行った、何か考えたなどなどのY男の行動記録。政治の話題も。暇な時にしかアップロードしない。

『Capote』(2005年)

2014-05-09 22:53:48 | 映画,DVD,ビデオ


映画『Capote』を見た。
この映画ではカンザス州の一家四人惨殺事件に興味を持ったカポーティが、警察や犯人を取材して ノンフィクション作品を書き上げる過程が描かれている。特に犯人の一方とは何度も面会して、犯人の日記も読み、犯人の生い立ちやら人間性を理解して、“友情”らしきものも芽生えてくる。しかし同時に、カポーティはこの残忍で冷酷無比な殺人事件を題材に作品を書く事が目的で犯人に近づいたのであり、カポーティに“友情”を感じている犯人を利用しようとしている事に悩んでいるようにも見える。犯人達が四人を殺害した事は事実であり、最初は弁護士を探してあげたりもしているが、途中からは彼らの延命に力を貸さなくなるのは、カポーティの葛藤によるものなのだと思う。
カポーティは犯人の死刑執行に立ち会い、『冷血』を書き上げる。


Truman Capote



Philip Seymour Hoffman

主演のフィリップ・シーモア・ホフマンは、この作品でアカデミー賞主演男優賞を獲得。容姿や話し方もカポーティに似せているのだと思う。こういう受賞は多いのではないか?ガンジー、レイ・チャールズ、リンカーンなどなど。カポーティはゲイで、映画での話し方も英語だがそれっぽい。Wikipediaによれば配偶者?はいたようだ。ジャック・ダンフィーとあるので男性であろう。

ホフマンは『セント・オブ・ウーマン』などで知っていたがこんな大きな賞を取る俳優になるとは思わなかった。この作品の後もアカデミー賞に三度ノミネートされている。しかし、今年の二月に薬物の過剰摂取で亡くなった。享年46歳。

俺は『ティファニーで朝食を』はかなり前に読んでいたが、内容はもうすっかり忘れてしまった。村上春樹さんはカポーティ好きで、いくつか翻訳もしている。俺はそういう作家の作品なら読まなくちゃと思ってチャレンジするのだが面白さがわからない。

カポーティは、『冷血』後は一つも作品を完成させる事が出来なかったらしい。この取材体験が原因なのか?1984年に59歳で亡くなった。彼も薬物やら酒のようだ。
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