やっぱり村上春樹さんの書く文章は素晴らしい。簡単な言葉を使って文章を書いているようだが、非常に大事な事、重い事を語っている。村上さんの言おうとしていることは確実に僕に伝わる、僕は深く理解できる、納得できる。たぶんほとんどの人に届く文章だと思う。
小説家としてずっと第一線で40年近く活躍されている人はそうそういない。過去の芥川賞作家のリストを眺めても、受賞後も活躍し続けてる小説家が何人いるか?ほとんどの人はその受賞が小説家としてのピークだったのではないか?と思われる人がほとんどじゃないか?
小説家の生活ぶり、仕事ぶり、いずれも村上さんの場合だが、を知る。
『ねじまき鳥クロニクル』
僕はこの本(三冊あるが)を一年に一、二度は読み返す。この小説の世界観に時々浸りたくなる、逃避したくなるのだ。僕の人生で読んだ小説の中で、今のところこの作品にまさる小説はないと思っている。ある友人は「冗長だ」と言った。確かにこれだけ長い作品だとすべての文章が素晴らしく、どの一文にも感心させられるという事はないと思う。読者をこの作品の世界に連れて行かなくてはならないから、説明的な箇所もあるだろう。なぜそうなのか?という事がわからないままという箇所もある。読むたびに新たな発見がある。何か明確に、こういう事を得たという事は無い。心の深い場所に何か変化がある、重みが加わるような気はする。読み終えるといつも、読んで良かったと思う。村上さんはアメリカでこの作品を書いたはずだ。第一部と第二部を完成して出版した後、第三部を書いて完結させたはず。村上さんが30~40歳代の時に書かれた小説だ。これだけの物を誰が書けるのか?
『地獄』
開高健さんが人生相談というか、読者の質問に答えるという企画を週刊誌で連載していて、その中で名前を挙げていた小説。僕もまだ読んでない。たしか、フランスのホテル?で隣の部屋で行われる情事を覗き見るというお話だと思う。
『平凡』
二葉亭四迷さんの小説。犬の事がよく出てくるらしいので購入。これもまだ読んでない。
読みたい物がたくさんある。