還る

　今週に入ってから、予想通りに、ひとり晩メシの毎日となった。
4男が先月高松へ行き、寮での生活を始めた。次に3男が、空家にしている実家で住むようになったので、これで我が家は妻と二人だけになった。30数年前に結婚して、翌年には長男が生まれたのを皮切りに、4人の子供達と住んでいたので、単身生活や出張で自分はほとんど自宅にいなかったものの、外から自宅に帰れば誰かがいる状態であった。それがやっと巣から孵化して外に飛び出たようで私が帰巣しても、空っぽのまんま。先月まではこのようになればアレをしてコレをして・・などと考えていたのが、このところの年度末、年度初めの少しオーバーワーク気味の毎日の業務量があり、身体的にはクタクタ。2階に上がる階段もよろよろしながら上がっているようで、テレビなどもつけたまま見ることはなく、9時には布団に入っている。とはいっても誰かが、アソボウゼなどと誘ってくれればしんどさもすぐに忘れるから不思議ではあるが・・・
　少年院を訪問する。矯正施設に入所している少年に面接をする。働くことについての意見を聞く。このA少年が平均的に80歳までの人生だとすると、このA少年にとっての人生の中で、矯正施設の経験はどのような意味を持つのであろうか・・少年と施錠のかかっている個室で向き合う。働きたいかと問えば、直視して、ハイと答えてくれたものの、ハイと答えてくれた時からが私の仕事となる。どのようにしてキャリア形成を図ることが、このA少年にとって納得した満足な職業生活を送ることとなるのか・・・　少年院の庭は今満開の桜、桜の花びらが太陽に照らされまばゆいほど。