備忘録として

タイトルのまま

Democracy Index 2010

2011-04-22 20:36:37 | 東南アジア

 今日は、中国から移民してきたシンガポールのMr. Wu(呉君)と話をした。彼曰く、日本語の「いち、にぃ、さん」が自分の話す方言とよく似ているのに驚いたということであった。出身地は南部で、姓と同じ三国志の呉の地域だという。最初に日本に入ってきた中国語は呉の地方の言葉と言われていると話すと納得していた。それ以前に日本には大和言葉というのがあり数字を数える大和言葉は、「ひとつ、ふたつ、みっつ」と教えてあげた。日本の新聞は40%ぐらい意味がわかるが、韓国の新聞は10%がいいところだとも言っていた。活字に漢字の占める割合はそんなものなのかもしれない。と今度はこちらが根拠もなく納得した。

 シンガポールは今、5月7日の総選挙の話で盛り上がっている。呉君は、最近シンガポールの市民権を取得したので、これが初めての選挙になるということだった。これまでのシンガポールなら、議席の大半を与党であるPAPが占めるので、選挙が盛り上がるということはなかったのだが、今回は様相が違い対立候補が何人も立っている。中には政府の高官だった人が野党から出馬する例もあるという。これまでにはまったくなかったことだ。争点は高いインフレと急増する外国人労働者の扱いだそうだ。前回2006年の選挙は、与党が82議席、野党が2議席だったが、与党への投票率は67%程度だった。今度の選挙は、12の1人区と17のグループ区で争われる。東京23区の面積しかない国を27選挙区に分ける極端な小選挙区制を取っているのだ。グループ区とは1区を5議席とすると各党が5人の候補者を擁立し投票率の高い党が議席を総取りするというものである。この小選挙区制とグループ区制により、野党の得票が5割を超えない限り与党が圧勝するようになっているのである。今回の選挙は野党にも有利なように選挙制度を改革していると言われ、野党候補が大勢出て元気だが、結果は前回とあまり変わらないのではと予想している。とはいえ、誰に投票するかは個人の自由で民主的な手続きは守られている。らしいが、記名投票ということで匿名性はない。

 Democracy Index(民主化度)という物差しがあり、選挙制度と複数(多元)主義、政府機能、国民の政治への参加度、政治的文化度、市民の自由度ごとに10点満点で点数評価し、その総合点で167か国に順番をつけ、完全民主主義、欠陥のある民主主義、混成制度、独裁体制の4つのグループにわけている。発表しているのはEconomist Inteligence Unitという組織だが、実態は調べていないのでよくわからない。http://graphics.eiu.com/PDF/Democracy_Index_2010_web.pdf

 シンガポールは、欠陥民主主義に分類され167か国中82位と思ったより健闘している。主な国の民主化度は以下のとおりである。

完全民主主義(1~26位 8点以上)

1.ノルウェー、2.アイスランド、3.デンマーク、4.スウェーデン、5.ニュージーランド、9.カナダ、14.ドイツ、17.US、19.UK、20.韓国、22.日本

欠陥民主主義(27~79位 6点以上)

29.イタリア、30.南アフリカ、31.フランス、36.台湾、37.イスラエル、40.インド、57.タイ、60.インドネシア、71.マレーシア、74.フィリピン

混成政治体制(80~112位 4点以上)

80.香港、82.シンガポール、93.パレスチナ、102.ブータン

独裁政治体制(113~167位 4点未満)

136.中国、140.ベトナム、163.ミャンマー、167.北朝鮮

日本(22位)が韓国(20位)より下なのは、国民の政治への参加度が極端に低いためである。アジア各国のランキングを見れば民主化度と国の豊かさは別物であることにも気づかされる。ブータン(102位)の国民は幸福度が高いと言われるが民主化度と幸福度も比例しないようだ。アフリカ諸国は概ね113位以下の独裁体制が多いが、南アフリカ(30位)がフランス(31位)より上にいることに驚かされる。マンデラの功績か。USが27位以下だと面白いのにと思った。

 ところで、今日はGood Fridayというキリスト教の祝日だが、日本からの連絡が多くて日中は仕事をしてしまった。


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