習近平国家主席は今、中近東を歴訪している。中国にとってイスラム国家は手強い相手である。宗教を弾圧し続けている中国がイスラム教をどのように解釈するのか。中国はウイグル族が信仰しているイスラム教を強く弾圧している。そのために何時もこの地域は政情不安になっている。デモだけではない。テロ行為も頻繁に起きているのだ。宗教弾圧だけでなく、民族浄化政策も併せて進めている。
イスラム文化、ウイグル語などウイグル族にとって基本的なものは全て否定されている。その上の強い弾圧である。漢民族による弾圧で、新疆ウイグル自治区は中東の混乱と同じことが起きつつある。新疆ウイグル地区を中国という一つの国にしたがために、民族対立が生じてしまった。単なる紛争ではなくなっている。中国が国内問題、という考え方を強めて主張しているが、チベットとウイグルは全く同じ問題が起きているのである。
そのような中で、習近平は世界に出向いて一所懸命中国の力を広めているのだ。確かに中国の経済力は向上した。GDPも世界第2位になった。とはいっても、人口一人当たりのGDPは日本を超えているわけではない。人口が日本の10倍以上あるからだ。中国は中産階級以上の生活は確かに向上している。しかし、それ以下の人口の生活は一体どうなっているのだろうか。中国での貧富の差は世界の国の中でも飛びぬけて広がっている。
中国は下層階級の生活向上を殆ど野放し状態にして果たして世界から歓迎されるのだろうか。例え世界を手中に収めても、それは砂上の楼閣に過ぎないのではないか。足元が覚束ない状態のまま世界に飛び出していったのはいいが、下層階級には何のメリットも生まれていないのではないか。13億人の半分以下の人間は標準以下のままになっている現状を政府中枢は見て見ぬ振りをしているとしか思えない。
共産党幹部連中だけ生活の向上を果たして一体誰が幸せだというのか。共産党幹部たちは裸の王様になっている。世界はそのように見ているはずだ。多くの中国人たちは、裸の王様をどのように感じているのだろうか。