今回の中国、台湾の首脳会談で「中国・台湾は一つに中国」というスローガンが話し合われ、認めたという。その結果、将来は、一つの中国が誕生し、台湾は中国の一つの省に格下げする、という事になった。果たして、この結果を台湾の人たちは素直に受け取れるだろうか。故蒋介石が苦労をして国民党を率いて独立させた台湾をあっさりと中国共産党に引き渡されることに墓の中で悲しんでいるのではないか。
なぜ今中国に接近をして、このような取り決めをしたのか。台湾はそれほど窮地に陥っているのか。アメリカが台湾を突き放したのか。中国共産党のスパイたちが今回のことに貢献したのか。最も考えられるのは台湾人たちが中国本土に組入れて欲しい、という希望が多くあったのか。一つの中国になれば、現在の政治体制は完全に変更せざるを得なくなる。それは香港を見れば解るはずだ。
香港は共産党政権の人間が支配することになり、自由選挙は実質的に行われなくなった。共産党が支配すれば香港と同じ運命になる。現在の自由な政治体制は終わりになることは100%間違いない。台湾人は果たして中国共産党と同じ体制になりたいのだろうか。日本の統治から解放されて70年経過し、今の体制になったことを台湾人はどのように評価するのか。
小生も台湾を旅行したことがある。中国本土と違い、日本と同じように自由な行動が保障されている。日本人に対しては韓国人と全く異なり親切である。統治時代の日本語が多く残っており、それが日常語として中国語に混じって使われている。中国にとって台湾は太平洋への出入り口である。何が何でも欲しい、というのが中国の本音だ。果たして今の台湾の政権が一つの中国を宣言して良いのだろうか。
それよりも、現在の台湾人が本当に共産党政権に入る事を望んでいるのだろうか。小生にはそのように見えないのだが。