鈴ヶ峰には『ごっとん岩』と言う大きな岩があった。上部が4畳半くらいの広さで高さ3mあまりのほぼ直方体の大岩で、よじ登って上に乗ると、その岩全体がぐらりと揺れて動くのだ。その時に『ごとん』と音がするので『ごっとん岩』と言われるようになったものらしい。
実際にそんな音がしたかどうかハッキリした記憶がないが、そのような岩があったことはたしかで、自分はその上によじ登って『ぐらり』と揺れるのを体験している。
『ごっとん』と動く岩の下にはそれを支える岩があって、上の岩はしっかりと支えられてはいたが両者の間にわずかな隙間があって、上に人が乗るとその隙間分だけ動いたのだと思われた。
それは『ごっとん』と言うほどの大きな揺れではなく、また『ぐらり』でもなく『ぐら・・』程度のわずかな揺れで、多分,揺れの上下幅は5cmもなかったのではないかと思われた。
なので岩が動いてもその岩が倒れる心配はなかったが、上に寝転がって体重移動して大岩を動かすとその揺れ幅は意外と大きく感じられ、体が『フッ』と浮き上がってそのまま落ちていくような錯覚に捉われ、その浮揚感を楽しんだものだった。
『ごっとん岩』は子どもの頃に遊んでいて見つけたものではなく、中学生くらいの時に母に教えられ、確かめに行ってその存在を知ったものである。それは通常の登山道から離れた場所にあって、意識的に探さないと見つからないものだったから悪餓鬼どももその存在を知らなかったのだ。
今回の調査でその『ごっとん岩』を改めて確認することを期待したが見つけることが出来なかった。意識的に探さないと分からない場所にあるということ自体を忘れ、登れば見つかると考えていたのだ。
そして、気がつけばそれを知っている人達がいつの間にかいなくなってもいる。まことに歳月とは無慈悲なものである。
次の機会には是が非でも探し出して若い世代に伝えておかなければならないと思う次第。
真っ赤な紅葉をアップに煙る背景の風景ステキです♪
二枚目の船が浮かぶ画像、色彩が何とも言えないくらいで絵を観ているようです。
今年も最後の日となりました。
良いお年をお迎えくださいませ。
外にばかり目が向いて、足元のよさが分からなかったのだと思います。
1枚目の紅葉の向こうに見えている島は安芸の宮島,2枚目は広島市の沖合の江田島方面です。
少し眠い感じになっていますが、実際は快晴で夏の海のようにぎらぎらした感じに輝いて眩しいほどでした。逆光気味だったので絞りが効いて眠くなったのでしょうが、それが墨絵のような効果を生んだようです。ウルシの紅とのアンバランスも偶然性の面白さでしょうか・・。
来年も野川を中心とする東京の懐かしい絵を楽しみにしています。
よいお年を!