
木瘤いろいろ

2月B24日(日)
前日に続いて日向山に登って見た。前日は北向きに歩いたので、今回は南側から登って前日の足跡の所まで進み、そこから東に向かって犬の窪集落の方に降りたつもりだったが、着いたところは出発点のわずか50mほど東だった。
日向山は遠く白沢天狗山から派生する尾根の末端だと言うことが分かったので、この次は尾根を少しづつ遡って見ようと思っている。

穴のある瘤/2段瘤の木発見

わっぱランドで子ども達と雪の上を歩いている時,アカマツの木コブを見た子に『あれはなんですか?』と聞かれたのに答えられなかった。
写真のように、アカマツの幹の途中に大きな瘤があるのはよく見かけるが、なぜそのようなものが出来るのか、不思議には思っても深く考えたことがないので答えようがなく、『誰かにたたかれてたんこぶが出来たんじゃないかな・・』等といい加減なことを言っておしまいになってしまったのが気になっていた。
そう言う対応もあってもいいかもしれないが、最後には『分からないから今度調べとくネ・・』とか『興味があったら調べてごらん・・』くらいのことは言っておくべきだった。
それが頭にあったからかもしれないが、日向山を歩いて見るとやたらと木瘤が目についたので、これも何かの教材になるかもしれないと思って片っ端から撮って見た。

2段瘤~上の瘤/下の瘤

これまでは素人考えで植物体の組織の異常増殖ではないかと考えていたのだが、数ある木瘤の中には、中央に穴のあるものや一面が抉れて窪みがあるものなどが見られ、その成因も1つだけではないように思われた。
中には窪みの中から枝のようなものが突き出ているものがあることから考えられることは、かつて枝が出ていた所でその枝がもぎ取られて空洞が出来、その傷口を覆うように周囲が盛り上がって次第に空洞を塞ぎ、遂には癒着して球形になったのではないか・・,穴があるのは塞がれる途中なのではないか・・,と言うことだ。
調べて見ると、木瘤には様々なものがあって樹種も形状も一様でなく、原因も色々らしいが、大別するとウイルス感染による異常増殖とホルモンバランスの崩れによる異常増殖,さらに何らかの原因で出来た傷を塞ぐための防衛的な増殖があるらしいことが分かった。大雑把にいえば植物のガン,あるいはかさぶたと言うものだろう・・。
こういう木瘤とは別に虫こぶ(虫癭=ちゅうえい)と言うものもあり、マタタビ等の虫こぶはマタタビ酒として利用されること等が知られているが、それは別の季節に譲るとして、木瘤も木の不思議の教材の1つとしてストックしておきたい。

空洞のある瘤/同じ瘤を少し右から

さらに調べて見ると、ブナ,ナラ,ヒノキなどの木と表皮の間に出来る木瘤には瘤自体が生き物として推定20年以上の年齢を持つものがあり、非常に硬くまた複雑で美しい木目があるので飾り物やぐい呑みなどに加工して利用されるものもあると言う。
こんな風に繋がるのであればたかが木瘤と侮れないかもしれない・・。教材はどこにでも転がって(立ってか!)いるものだ。
あまり太くない枝にできた適度な大きさの木瘤は、ワラ縄をつくる際にワラをたたく槌にするとすこぶる具合がよく、そういう使い方もある。

美しいヒノキと/まっすぐなスギ

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