租税回避地ケイマンの挫折。

アメリカ政府は先のスイス政府との合意に続き、タックス・ヘイブン（租税回避地）として知られるカリブ海の英国自治領、ケイマン政府との間で、金融機関の顧客情報の提供を義務付ける協定に調印したそうである。スイス銀行の場合には、長い歴史の中で、世界の大金持ちやある国の独裁者等の隠し財産の逃げ場として、利用されてきたことは有名である。だが、ケイマンは歴史が浅い。だが、この地に世界の大手金融機関が出先機関を出し、世界の、特に、アメリカの富裕層の資金を移して、課税回避を図ってきたことは有名である。金融機関の場合には、生産企業とは異なる。拠点の設置と言っても、小さな事務所を一つ作れば良いだけである。今回の協定の諏旨は脱税者の摘発だが、ねらいは金融機関の規制であろう。例えば、三菱ＵＦＪ銀行の様な大銀行が本社機能をケイマンに移し、実際の営業はこれまでと同じく、日本国内で、行うとしたら、日本政府はそれなりの手を打たなければならなくなるだろう。実際、アメリカのヘッジフアンドの一部などがこのような事を行ってきたのである。だから、今回の協定には、このような金融機関への規制への始まりと思えるのである。

Y-FP Office Japan