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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

レイラ・ピニェイロ/ヴォセー

2006年08月16日 00時05分27秒 | Jobim+Bossa
 レイラ・ピニェイロといえば、バブル末期の頃、つまり80年代の終わり頃、「アルマ」というアルバムで知った。おそらく六本木のWaveとか、まさしくバブリーなで場所で知ったんたんじゃないかと思うのだが、記憶はあまり定かではない。とにかく、試聴した1曲目の「ベサメ・ムーチョ」という曲の、情緒綿々たるまるで歌謡曲のようなメランコリックな旋律に魅了されたのだった。おそらくそういう日本人、けっこういたんではないのかと思う。ただ、そうした日本人好みのものはこの曲のみで、他の曲は割とモダンなブラジル・サウンドがベースになっていたし、彼女の声もどちらかといえば、アンニュイで物憂げな、ボサノバによくあるタイプではなく、もう少し意志の強さを感じさせる、ややクセのある声が特徴だったから、その後、日本で彼女が大ヒットしたという話は聞いたことがない。

 このアルバムはそんな彼女が「アルマ」に続いて発表したアルバムで、確か第三作にあたる。それまでのコンテンポラリーなブラジリアン・ボーカリストとはうって変わって、ブラジリアン・スタンダードばかりを集めて歌っているが、曲ごとにカルロス・リラ、ジョビン、エドゥ・ロボ、ジョルジュ・ベン、ジョアン・ドナートなどにメドレーなっているのが特徴だ。おそらく取り上げられた楽曲は30曲以上になるだろう、音楽的な情報量は相当なものであり、先達たちへのオマージュという意味だったのか、単なる商業的要請だったのかはこのアルバムの制作意図は定かでないが、こういう形でアルバムをつくるあたり彼女のアーティストとしてしての自負心みたいなものを当時ひしひしと感じたものだった。ちなみに昨日も書いたとおり、アレンジはロベルト・メネスカルで、基本を押さえつつ、モダンでカラフルなサウンドを展開しているあたりはさすがだ。彼女の野性味と知性が入り交じったような声ともよくあっている。多用されるストリング・シンセの響きも美しい。
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ロベルト・メネスカル/ボッサ・エヴァ・グリーン

2006年08月15日 23時03分34秒 | Jobim+Bossa
 ロベルト・メネスカルといえぱ、ボサノバ創生期から活躍するアレンジャー&ギタリストですが、自分的に彼の名前がはっきり印象に残ったのは、レイラ・ピニェイロのボサノバ・スタンダードばかり集めたアルバムのアレンジに感心した時が最初でしょう。彼のアレンジといえば、まずはリズムに心地よい弾力があること、洗練されカラフルなサウンドを作ることあたりにあると思いますが、このアルバムはそんな彼がギターとアレンジを担当して作った自己名義のソロ・アルバムです。

 内容的にはほぼ予想通りだったのは、弾力的なリズムの心地よさをベースに、非常にカラフルでセンスのよいサウンドが聴こえてきたこと、反面、ちょっと予想外だったのは意外にもギターはアコギではなく、ジャズ風な暖かい音色のエレクトリック・ギターがフィーチャーされいたことと、そしてリズム(パーカス系)に打ち込みのリズムが多用されていることでしょうか。まぁ、そんなこともあって、音楽的にはボサノバがかったスムース・ジャズといったところで、個人的にブラジル系の音楽といったも、ドメスティックなものより、こうしたサウンドの方が好みなので、これは一聴して気に入りました。

 それにしても、ロベルト・メネスカルの作り出すリズムの気持ち良さって、彼のアレンジのそこかしこに出てくるベースとバスドラムのユニゾンによる、リズムの太さから来るんでしょうね。このアルバムでは打楽器はほぼ全面的に打ち込みのようですが、それを手弾きのベースとあわせることによって、いつもの彼らしいノリを損なうことな再現しているのはさすがです。曲はボサノバ・スタンダードばかりで、しかも聴有名曲ばかり集めてある点からして、どうも日本の政策サイドが手動しての制作ようで、ちょいと彼の手に荷が軽すぎるようなところがないでもないですが。夏のBGMとしては凡百の類似サウンドを上回る内容であることだけは間違いありません。
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台湾の料理 番外

2006年08月14日 23時09分20秒 | 台湾のあれこれ
 ここでページの穴埋めによく「台湾の料理」というのをやっているけれど、私的には写真だけ見ていも飢餓感が募るばかりで、精神衛生上よくないことしきりだった。ところが先週、なんと自宅から歩いて数分の場所に、台湾風居酒屋というのが出来たのだ。毎日仕事の帰りに車で店の前を通る度に、「ここでならあの腸詰めや豚の角煮が食えるに違いない」とは思っていたのだが、今日、近所に住む友人を誘って、早速来店してみた。

 案の定、台湾人らしき女性がいる店で、その人が料理を作っているようだ。そっさく、前記二品の他、切り干し大根の入ったオムレツだのを注文してみた。特段、うまい訳ではないが、紛れもなく台湾の味がしたのにはうれしくなった。久々に台湾屋台の味を満喫したというところだ。ちょうどお盆ということもあって、気分もリラックスして友人との話もはずんで、帰り道はちとちどり足だった。酒弱くなったよなぁ。
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ベスト・オブ・ベンチャーズ Vol. 1 + 2

2006年08月13日 23時37分29秒 | ROCK-POP
 昨年夏に取り上げた「ベンチャーズ・イン・ジャパン」の2in1アルバムを購入した時に一緒に購入したものです。私は子供の頃、この2枚のベスト盤を自宅で聴いた記憶はありませんが、当時はLP盤を買うというのは、今でいえば数万円出費するのと同等の価値があったハズですから、レギュラー・アルバムを買えなくて、このベスト盤を聴いていたという人も多かったはずです。アルバムというのは収録曲と同時にどういう順番で並んでいるかという構成も重要で、おそらく「あの時の構成でもう一度ベンチャーズを聴きたい」というノスタルジックな需要に応えての発売だったんでしょうね。旧AB面のトップに「急がば回れ」のヴァージョン違いを配置するあたりいかにもベスト盤という感じで楽しい。

 ベスト盤といえば、現在の視点から見ればベスト盤落選するような曲、例えば「愛さずいられない」とか「ロコモーション」といった、ベンチャーズというより曲の知名度でもって選曲されような作品が入っているのも時代を感じさせます。いや、今聴くと、妙にチープなカントリーBGM的なムードが楽しかったりすんですが(笑)。
 それにしても、このベスト盤を聴きながら思ったのですが、「ベンチャーズのスタジオ録音の曲を一曲だけ選べ」といわれたら、私の場合、なんといっても「10番街の殺人」だなぁ。この曲昔、自分でフュージョン風なリズムでアレンジした曲をしこしことMIDIで打ち込んだこともあって、曲の隅々まで頭に入っているということもありますが、もともは優雅なスタンダード作品を、なぜだか非常に高揚するメロディーにアレンジしてしまったベンチャーズのセンスにはいつも感心してしまうんですよね。
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FFXI <パラニンLv75 カンスト達成! >

2006年08月12日 22時41分44秒 | GAME
 7月12日に再開したナイトだが、本日めでたくカンストした。戦士に続いて二つめのジョブ・カンストである、めでたい。これまで書いたとおり、大半を自分がリーダーしたので(ちなみに、誘う順はいつも忍→赤→その他)、その関係もあって、狩り場はLv69まではゼオルム火山、それ以降はカダーバの浮沼だけで通しての結果でもあった。狩り場の固定は問題かもしれないが、全部自分でリーダーして時給7,800を常に確保しつつ、カンストしたという満足感もある。

 盾役の忍者のサポート、そして二刀流という役回りのため、盾のスキルはLv62の時のままだし、戦士の時のように、誘われるがままあちこちで巡って、一生懸命レベルを上げた時のような「濃い経験」はなく、狩り場も戦闘スタイル固定して、一気呵成に上げたところに若干後ろめたさのようなものを感じないでもないが、反面「なんだ、カンストなんて意外と簡単だな」という感もある。なにしろ、誘われ面では非常に優遇されているハズの戦士の時より一週間くらい速いペースでカンストしているのだ。

 さて、FFXIの盾役ジョブとして、昔は花形だったらしいナイトだが、現在ではマニュアル本に書いていることとは大違いで、盾役としては性能面で忍者に大きく水をあけられている。戦士をやっていた時つくづく感じたのだが、盾でナイトを誘う時は、大抵「忍者がいないから、しょーがねーかた」的な雰囲気なのだ。これが嫌でナイトを上げるのが、おっくうだったのだが、とりあえずそれを回避しつつ、楽しくカンストできたのが何よりよかった。
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イリアーヌ・エリアス/夢そよぐ風

2006年08月11日 23時31分05秒 | Jobim+Bossa
昨日も書いたとおり、ごぶさたしていたイリアーヌ・エリアス作品ですが、昨年、久々に購入してみたのがこの作品です。従来の彼女の作品は音楽至上主義的なきまじめさというか、やや秀才的に考えすぎなところがなきにもあらずだったですが、この作品では一気に突き抜けたというか、商業主義もここまでやれば脱帽ものというか、おそらく彼女の盤歴でもエポック・メイキングな作品となるに違いないと思いました。

 音楽的にはバックにストリングスを配したゴージャズなサウンドをベースに、あまりこねくり回さない素直なアレンジで、ボサノバ・スタンダードを歌うというものですが、おそらくこれを作るにあたって、制作サイドの念頭には、ダイアナ・クラールとクラウス・オガーマンのコラボによる大傑作「ルック・オブ・ラブ」があったことは、ほぼ間違いなく、あれをもう少しボサノバ寄りにした作品といえば大体間違いないところだと思います。ちなみに、このアルバムでの彼女はピアニストではなく、ほぼヴォーカリストに終始しています。もちろんピアノも随所に出てくる訳ですが、はっきりいって彩りを添えているという感じですね。このあたりもクラールの「ルック・オブ・ラブ」と同じようなバランスといえます。


 ちなみに「ルック・オブ・ラブ」では御大オガーマンのアレンジだったのですが、ここではロブ・マティスがかなりオガーマン風に洗練されたストリングスのアレンジやっていて、これまたなかなかです(オガーマンよりちょっと温度感が高いかな)という訳で、いろいろな意味で、きわめて「ルック・オブ・ラブ」的な作品です。もちろん、本家を超えたとまではいかないけれど、なかなか迫ってます。夏向きの極上の作品で、個人的には夏のエバー・グリーン・アルバムです。

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イリアーヌ・エリアス/キスド・バイ・ネイチャー

2006年08月10日 23時28分19秒 | Jobim+Bossa
 昨日とりあげた「海風とジョビンの午後」から5年後の作品。たしか両作品の間にもうひとつピアノ・トリオ・ベースの作品(「Everything I Love」)があったはずですが、あれは確か聴いていません。おそらく、「海風とジョビンの午後」があんまりおもしろくなかったので、彼女に対する興味を失ってしまったんでしょうね。実際、あの作品以降、再び彼女の作品を購入するのは、昨年の「ドリーマー」ですから、長いことご無沙汰だった訳です。ともあれ、この作品は「ドリーマー」仕上がりがとも良かったもので、同じ頃購入しておいたものです。今日やっと聴きました。

 この作品から彼女はBMGに移籍していますが、それが関係しているのかどうか、全体としては非常にコンテンポラリーな出来となっています。基本的にはジョーイ・バロン、マーク・ジョンソンを擁したピアノ・トリオがベースになっていますが、冒頭はハウス風な8ビートから始まりますし、大半の曲に入っているボーカルも時にマルチ録音してひとりコーラス隊に挑戦してみたりと、随所にモダンなタッチが聴かれます。ただ、このアルバムでのボーカルは、歌物なのか、ボーカルを楽器に見立てたインストなのか、アレンジ面で彼女も思いあぐねているところもあるようで、ちょっと中途半端になってしまったところが散見するのが、残念です。また、後半には何故か新主流派風な管楽器をフィーチャーした王道ジャズ風もあり、多彩といえば多彩なのですが、やはりとっちらかった印象はぬぐい去れないといったところでしょう。

 結局、このアルバムで一番良かったのは、スキャット・ボーカルがフィーチャーされものや、品の良い4ビートでもってやや物憂げに演奏される従来路線の曲ばかりというは、とち寂しいところではありますね。思うにいろいろ試行錯誤している時期だったのかもしれませんが。
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イリアーヌ・エリアス/海風とジョビンの午後

2006年08月09日 00時37分11秒 | Jobim+Bossa
イリアーヌ・エリアスの97年の作品。これまでピアノ・トリオにせよフュージョンしたところで、かなり音楽主義的な作品を出してきた彼女ですが、ここで彼女自身が日和ったのか、日本から要請に負けたのかは定かでないものの、この作品ではかなりの路線変更をしています。ひとくちにいえば、これまでほとんど遊び程度だったヴォーカルを本格的にフィチャーしたアルバムということなんですが、しかも素材となるのがジョビンのボサノバ・スタンダードとくれば、ここで一気に「美人ヴォーカリスト」として売りだしにかかったな....みたいな印象を誰だって受けるでしょう。元々彼女のファンだった私はさすがにこれには、少々あざとさみたいなものを感じないでもなかった訳ですが、一般的にはどうだったんでしょうね。

 ともあれ、内容的にはかなり本格的なボサノバ・アルバムです。予想されたような甘口なフュージョン・サウンドにのっかったポップなアルバムではなく、どっちかといえばアナ・カランとかああいった路線に近い、ジャズっぽさはあまりない、ちょっとシリアスですかすかなアコスティック・サウンドをベースにした今風のボサノバ・サウンドといった感じでしょうか。まぁ、こうしたサウンドでもってボーカル・アルバムを作ったところに、逆に彼女の音楽的誠意のような感じたりするもする訳ですが、やはり音楽的には「ただのボーカル・アルバムにはすまい」と、ちょっとアレンジなど考え過ぎたんでしょうか。音を刈り込み過ぎて、ちょいとストイックでやや息苦しいところがなきにしもあらずです。時折入るマイケル・ブレッカーのサックスとオスカー・カストロ・ネヴィスのギターの組み合わせからして、現代の「ゲッツ・ジルベルト」的な雰囲気をねらっていたのは明らかなんですが、ちょいと華がなかったというところでしょうか。
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ジョアン・ドナート/ニュー・サウンド・オブ・ブラジル

2006年08月08日 23時01分32秒 | Jobim+Bossa
ジョビン名義の「イパネマの娘」というアルバムは、実質的にクラウス・オガーマンの作品といえますが、その続編的にみられることの多い「波」もオガーマンの作品かといえば、こちらはジョビンの意向がかなり濃厚に現れていますから、「イパネマの娘」ほどにはオガーマンらしい感じはしません。じゃぁ、「イパネマの娘」みたいに、あくまでもオガーマンの仕切ったBGM風なオーケストラ・サウンドのボサノバは他にないのかといえば、あるんですねぃ。もちろんコレです。

 名義はジョアン・ドナートで、もちろん彼がピアノで参加している訳ですが、音楽を聴けばかわるとおり、ひんやりした感触のストリングスをベースに、メロディックなピアノを洗練された形で、組み合わさるというあのサウンドになっていますから、実質アルバムを仕切ったのがオガーマンであることは歴然です。とにかく「もっと「イパネマの娘」みたいな音楽を聴きたい」という人にはおすすめで、私も「イパネマの娘」ほどではないけれど、愛聴盤です。

 もっとも、ドナートのピアノはジョビンよりもう少し職人的にうまいですかね。「イパネマの娘」でもやっていた「ハウ・インセンシティブ」を比べるれば歴然ですが、フレージングの饒舌さなどはいかにも本職という感じしょうか。また、多数収録されたドナートのオリジナル作品は、リズミックなブラジル風味もそこはかとなく濃かったりしますから、なにからなにまで「イパネマの娘」と同じという訳ではありませんが(「イパネマの娘」と「波」の中間くらいといった意見もあるでしょう)、それにしてもオガーマンのセンス全開の作品であることは間違いないところでしょう。
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John Lennon / Lennon (Disc.4)

2006年08月07日 20時12分10秒 | Beatles
 「ダブル・ファンタジー」と「ミルク・アンド・ハニー」からジョンが歌った楽曲ばかりを収録したディスク4たが、とにかく一番聴かないディスクだ。長いブランクの間、周囲の音楽状況がすっかり変わってしまい、久しぶりにシーンに復活したジョンは、なにやらすっかり懐古的なミュージシャンになってしまったような気がしてしまったというのが尾を引いているらしい。これはこれらのアルバムに収録された曲の回顧的、オールドスタイル的なところにも原因があるけれど、やはり当方のジョンに対する相対的な関心度の低下ということの方が大きいとも思う。

 ともあれ、EMI系列ではなく、ゲフィンから出たということがどの程度影響したのは知らないが、収録曲はどれもかなりポップでこじんまりしている。「ウォールス・アンド・ブリッジズ」のようなスケール感、天衣無縫さはあまりないように感じる。ジョンの死により、ラスト・アルバムという巨大なプレミアがついてしまったため、これらの作品群を非常持ち上げる人もいるみたいだけど、実質的にはシーンへの復帰に向けてのリハビリ・セッションみたいなところだったんじゃないだろうか。おそらく、次の作品を作っていれば、これらの楽曲を超える緊張感とスケールを持った作品を作ったに違いあるまい。
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John Lennon / Lennon (Disc.3)

2006年08月06日 23時11分15秒 | Beatles
 ディスク3は、「ウォールス・アンド・ブリッジズ」と「ロックン・ロール」その他の曲を収録している。前者は、前にも書いた通り、私がリアルタイムで購入したジョンの最後のアルバムで、いろいろな意味でも思い出深いものがある。その理由のひとつは、アルバム中、エルトン・ジョンとのデュエットによる「真夜中を突っ走れ」 は大ヒット、続く「夢の夢」もけっこうなヒットを記録したということで、非常に華やいだイメージがあるということ。また音楽そのものもかつての戦闘的なジョン・レノンから、表向きかなり様変わりして、穏やかで感傷的なものになってたことも大きかったと思う。

 ともあれ、このアルバムを一聴した時の印象としては、「ジョンも丸くなったなぁ....」というものだった。当時、英国の先鋭的なロックを愛好していた私としては、まるでスタンダード・ナンバーのように歌われる「ブレッス・ユー」に象徴されるような、大人のロックというか、早い話がAOR(もっとも当時まだそういう言葉はなかったが)的な音楽に変貌しつつあるジョンの音楽は、その善し悪し以前に、自分の守備範囲からはずれつつあることを感じたのだろう、何度も書いているとおり、これは私がリアルタイムで購入した最後のアルバムとなったのだった。

 さて、現在聴くと、当時私がジョンから離れていくことになった理由である点、つまり、AOR風なところが、逆に心地よかったするのが「妙」である、自分もジジイになったというところか。そんな訳で、「枯れた道」のちょっとかげった曲調。前述の「ブレッス・ユー」の典型的AOR風味、「夢の夢」のまさに夢見るような美しさ、まさにジョンとしかいいようがない「愛の不毛」「鋼のように,ガラスの如く」の等身大ジョンが伝わる人間臭さなど、どれも適度に甘口な装い(しかし完成度はなかなか)でアレンジされているのがいいかもしれない。ともかく、今、ジョンのフルアルバムを買い直すとした、一番最初に購入したのはこれだね。
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FFXI <パラニンLv73 >

2006年08月05日 13時14分26秒 | GAME
 引き続きパラニンのレベル上げを継続。しかし、こうして意地になって「【盾】【いりません】」的なスタンスで自分がリーダーをしつつ、この奇妙なジョブをやっていると、外人さん主体だが、よく盾のお誘いはかかる。答えは「Sry Im Not Tank」である、パラニンというジョブは日本人には多少浸透してきたが、外人にはほとんど知られていないようで、「ナイトなのにどうして盾じゃないの?」などと聴かれることも一度や二度ではない。ともあれ、昨年後半、半日も誘われ待ちをしたりとか、狩りが始まれば始まったで、すぐに真っ赤になって瀕死などという、実に重苦しい気分でナイトを上げていたのに比べれば、自分でリーダーやって、好みのジョブをさっさと集めて高い時給を確保しながら、狩りをやっていくのはとても楽しい。せっかくのお誘いだが、もうメイン盾にはもどれないという気分である。

 さて、狩り場はゼオルム火山から変わって、カダーパ浮沼である。私の場合、土地勘が極端に悪いので、火山と同じであれこれ考えず、地理がわかりやすい慣れたところでやるのが一番なのである。そういう訳で、ここにひたすら日参し、トンボ、カエル、インプを狩って本日Lv73に到達。しかし、こうやって同じ狩り場で同じ相手に戦っていると、Lv70からレベルを上げていくに従って、こちらの殲滅速度もぐんぐん上がっていくのがわかる。しかし、そうなると戦い方もタコ殴りのメリポ・スタイルにどんどん近づいていく訳で(自分の作ったパーティーではLv62当初から【連携】【いりません】で、その意味ではメリポスタイルではあったのだが....)、メイン盾のサポートというパラニンに位置もけっこう微妙だったりするし、戦士と同じ装備ができないのががたたって、火力の伸びもそろそろ頭打ち感もなくはない。ともあれ、あと、ふたつレベルが上げて、プラス4万稼げばば、ナイトもカンストだ、うむ、もう少しだがんばろう。
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DEODATO / The Bossa Nova Sessions, Vol. 2

2006年08月04日 23時27分43秒 | Jobim+Bossa
こちらは第2巻、前巻と同じく2枚のアルバムの2in1らしいんですが、64年と65年と収録時期が特定され以外はクレジットがなくアルバム名は不明です、24曲収録。しかしこの時期のデオダートはこのアルバムだけみても、64年だけて3枚のアルバムを出していることなり、当時の仕事ぶりがわかります。おそらくこのアルバムもBGM的な消耗品として企画され、あまり深く考えることなくやっつけ的にやったに違いなく、そんな刹那性が満ち満ちています。そのあたりがまた今という時代に共振するのかもしれませんが、確かにこの手の音楽、昔だったらサイコーにダサイ音楽だったハズなのに、今聴くと、けっこうオシャレにきこえたりするから不思議です。

 ちなみこちらは、前半、後半共に前巻の後半と同様なオルガンをフィチャーした疑似ワルター・ワンダレー・スタイルです。前半はそれこそ前の続編という感じですが、後半になると、そろそろアラ・ワンダレーにも飽きてきたのか、他のスタイルにも色気を見せ始めていることを感じさせ、その分アレンジも多彩になってきて楽しめます(管の編曲が色彩的で短期間にとても上手になったことを伺わせ、ある意味アメリカン・スタンダード的アレンジに急接近したりするのはとてもおもしろいところ)。また、スタンダードやボサノバ有名曲も多く、全巻中もっても聴きやすい仕上がりという感じですか。
 とかし、この時期のデオダートって、おそらくこの2枚の他にも膨大な音源があるんじゃないですかね。しかも、どれもそつのないクウォリティを保っていて、センスもいい....と、まぁ、そのあたりの仕事ぶりが認められて、渡米してCTIのハウスアレンジャーになったんじゃないかな。
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DEODATO / The Bossa Nova Sessions, Vol. 1

2006年08月03日 23時27分19秒 | Jobim+Bossa
デオダートというと一般にはCTIで出した「ツァラトゥストラ」のメガトン・ヒットで有名になったことと、ロック・ミュージシャンのような風貌なせいで、割と70年代に出た人みたいなイメージがありますが、実は「ツァラトゥストラ」の前にも同じCTIでジョビンのアルバムの編曲を担当したりしていますし、いろいろなブラジル音楽のコンピレーションには彼がブラジル時代に担当した音楽がちらほら収録されていましたから、実はボサノバ創生期直後から活躍していた人だったんですよね。

 で.このアルバムはそんな彼がプラジル時代に録音したボサノバ関連の楽曲を2枚に集めたものらしいです。第一巻の方は1964年の「Samba Nova Concept」と「Impulso」の2作から収録されているらしいですが、おそらく2in1ということで全部入っているんでしょうね。全23曲ヴォりームたっぷりです。
 ちなみには前者は、タイトル通り華やいだサンバにちょいとボサノバの風味を加味したような音づくりで、ビッグ・バンド一歩手前くらいの規模のコンボで演奏され、ブラスがフィーチャーされています。このイナタさみたいなところが、今のクラブ系のDJさんはけっこう新鮮なのだろうと想像に難くない音というか....。
 後者も基本的には同じような音ですが、こちらはデオダートがワンダレーそっくりのオルガンを弾いているのがミソですかね。なにしろ「ツァラトゥストラ」のアレンジをやらかす人ですから、器用であることは間違いなく、パーカッシブなコード弾きといい、ころころした音色といい、伸縮自在のフレージングといい、本家に迫っています。おまけに「サマー・サンバ」までやっちゃったりしてますから、もう「こんなんオレでもできるんだよ」といっているように聴こえなくもないですね。
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クラウス・オガーマン/ラテン・ロック

2006年08月02日 23時28分10秒 | Jobim+Bossa
昨年の秋頃に購入してずっと寝かしてあったものです。クラウス・オガーマン名義のこんなアルバムがあったとは驚きで、確実に「珍盤」の部類でしょう。内容的には1967年に制作されたオガーマン編曲による8ビートをベースにしたラテン音楽....だから、タイトルは「ラテン・ロック」か、分かり易す過ぎる(笑)。おそらく「イパネマの娘」の大成功で、オガーマンには「ラテン音楽をイージー・リスニング的に編曲する名人」みたいな定評ができてしまい、この種の依頼がかなり舞い込んだんでしょうね。これなどもそういうオファーによる「やっつけ仕事」という感じがします。

 音楽的には、ラテン・パーカッションがメイン、コーラスなども取り入れて、いかにも「あの時代のラテンBGM」という感じ。ただし、オガーマンのメルクマールであるストリングスがこのアルバムには入っていないので、時折冴えた響きで物憂げになる木管楽器がヨーロッパ的なオガーマンズ・オーケストレーションの片鱗を味あわさせてくれるくらいで、私のようなオガーマン目当てで購入してきた人間には、ちと食い足りない感じもなくはないですが、むしろこのアルバムはクラブ関係者が血眼で発掘している、60年代中盤~後半の「誰も知らないイナタいジャズ・ロック」という文脈での発売でしょうから、そういう意味では、このアルバムの通俗味と泥臭さはうってつけなのかもしれません。

 ちなみに収録曲について少々書いておくと、冒頭の「テキーラ」が同じオガーマンの編曲でウェス・モンゴメリーがやっている曲ですから、これはほぼあの演奏のヴァリエーションという感じで楽しめます。「サン・ファン」はミディアム・テンポのちょっと物憂げな作品で、一番オガーマンらしいセンスを感じさせる編曲。ラストは超有名曲「マシャケナダ」ですが、そういえば、このアルバム、ハープ・アルバートあたりセンスをオガーマンが拝借したブラスのアレンジが頻出しまして、この曲などその好例といえるかも。
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