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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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アントニオ・カルロス・ジョビン/潮流

2006年08月31日 23時03分53秒 | Jobim+Bossa
 こちらは、「Love, Strings and Jobim」を知るまでジョビンとデオダートと初共演盤だとばかり思っていた70年リリースのCTI作品。ただし、こちらは「Love, Strings and Jobim」にあったような、泥臭さやブラジル的野趣は一掃され、極上ジャズBGMといった感じのほぼ完全なCTI作品となっていて、このあたりは相手がジョビンであれ、デオダートであれ、自分のレーベルでの作品は全てCTI流のロジックでがアルバムを作らせてしまうクリード・テイラーのご威光というものだろう。例えばCTIのアルバムには、かなりの頻度でセンスのいいフルートが出てくるんだけど、このあたりはジョー・ファレルでもヒューバート・ローズでもほとんど似たような感じなっちゃうあたりに如実に表れている。ちなみにこのアルバムでのフルートは当時またRTFにいたジョー・ファレルである。

 そういう訳で音楽的には、CTIのレーベル・カラー+ジョビンの音楽性+デオダートのアレンジ・センスが5:3:2くらい割合で感じで出ているアルバムだと思う。具体的には今回はオガーマンのひんやりしたストリングスが入らず(前述のとおり木管アンサンブルがメイン)、よりブラジル的なデオダートがアレンジということで、ブラジル的なリズムやアンサンブルが濃厚に出てしまいがちなところを、ぎりぎりな線でクリード・テイラーがソフィスティケーションしているといったところだろうか。そのあたりのバランスが絶妙なので、耳障りの良さというか、BGMとしてのセンス良さはおそらく「波」を上回るものがあると思う。ただし、聴いていて、あんましジョビンという感じがしないのがたまにキズだが。
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