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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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John Lennon / Lennon (Disc.3)

2006年08月06日 23時11分15秒 | Beatles
 ディスク3は、「ウォールス・アンド・ブリッジズ」と「ロックン・ロール」その他の曲を収録している。前者は、前にも書いた通り、私がリアルタイムで購入したジョンの最後のアルバムで、いろいろな意味でも思い出深いものがある。その理由のひとつは、アルバム中、エルトン・ジョンとのデュエットによる「真夜中を突っ走れ」 は大ヒット、続く「夢の夢」もけっこうなヒットを記録したということで、非常に華やいだイメージがあるということ。また音楽そのものもかつての戦闘的なジョン・レノンから、表向きかなり様変わりして、穏やかで感傷的なものになってたことも大きかったと思う。

 ともあれ、このアルバムを一聴した時の印象としては、「ジョンも丸くなったなぁ....」というものだった。当時、英国の先鋭的なロックを愛好していた私としては、まるでスタンダード・ナンバーのように歌われる「ブレッス・ユー」に象徴されるような、大人のロックというか、早い話がAOR(もっとも当時まだそういう言葉はなかったが)的な音楽に変貌しつつあるジョンの音楽は、その善し悪し以前に、自分の守備範囲からはずれつつあることを感じたのだろう、何度も書いているとおり、これは私がリアルタイムで購入した最後のアルバムとなったのだった。

 さて、現在聴くと、当時私がジョンから離れていくことになった理由である点、つまり、AOR風なところが、逆に心地よかったするのが「妙」である、自分もジジイになったというところか。そんな訳で、「枯れた道」のちょっとかげった曲調。前述の「ブレッス・ユー」の典型的AOR風味、「夢の夢」のまさに夢見るような美しさ、まさにジョンとしかいいようがない「愛の不毛」「鋼のように,ガラスの如く」の等身大ジョンが伝わる人間臭さなど、どれも適度に甘口な装い(しかし完成度はなかなか)でアレンジされているのがいいかもしれない。ともかく、今、ジョンのフルアルバムを買い直すとした、一番最初に購入したのはこれだね。
コメント
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