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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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レイラ・ピニェイロ/ヴォセー

2006年08月16日 00時05分27秒 | Jobim+Bossa
 レイラ・ピニェイロといえば、バブル末期の頃、つまり80年代の終わり頃、「アルマ」というアルバムで知った。おそらく六本木のWaveとか、まさしくバブリーなで場所で知ったんたんじゃないかと思うのだが、記憶はあまり定かではない。とにかく、試聴した1曲目の「ベサメ・ムーチョ」という曲の、情緒綿々たるまるで歌謡曲のようなメランコリックな旋律に魅了されたのだった。おそらくそういう日本人、けっこういたんではないのかと思う。ただ、そうした日本人好みのものはこの曲のみで、他の曲は割とモダンなブラジル・サウンドがベースになっていたし、彼女の声もどちらかといえば、アンニュイで物憂げな、ボサノバによくあるタイプではなく、もう少し意志の強さを感じさせる、ややクセのある声が特徴だったから、その後、日本で彼女が大ヒットしたという話は聞いたことがない。

 このアルバムはそんな彼女が「アルマ」に続いて発表したアルバムで、確か第三作にあたる。それまでのコンテンポラリーなブラジリアン・ボーカリストとはうって変わって、ブラジリアン・スタンダードばかりを集めて歌っているが、曲ごとにカルロス・リラ、ジョビン、エドゥ・ロボ、ジョルジュ・ベン、ジョアン・ドナートなどにメドレーなっているのが特徴だ。おそらく取り上げられた楽曲は30曲以上になるだろう、音楽的な情報量は相当なものであり、先達たちへのオマージュという意味だったのか、単なる商業的要請だったのかはこのアルバムの制作意図は定かでないが、こういう形でアルバムをつくるあたり彼女のアーティストとしてしての自負心みたいなものを当時ひしひしと感じたものだった。ちなみに昨日も書いたとおり、アレンジはロベルト・メネスカルで、基本を押さえつつ、モダンでカラフルなサウンドを展開しているあたりはさすがだ。彼女の野性味と知性が入り交じったような声ともよくあっている。多用されるストリング・シンセの響きも美しい。

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