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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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イリアーヌ・エリアス/夢そよぐ風

2006年08月11日 23時31分05秒 | Jobim+Bossa
昨日も書いたとおり、ごぶさたしていたイリアーヌ・エリアス作品ですが、昨年、久々に購入してみたのがこの作品です。従来の彼女の作品は音楽至上主義的なきまじめさというか、やや秀才的に考えすぎなところがなきにもあらずだったですが、この作品では一気に突き抜けたというか、商業主義もここまでやれば脱帽ものというか、おそらく彼女の盤歴でもエポック・メイキングな作品となるに違いないと思いました。

 音楽的にはバックにストリングスを配したゴージャズなサウンドをベースに、あまりこねくり回さない素直なアレンジで、ボサノバ・スタンダードを歌うというものですが、おそらくこれを作るにあたって、制作サイドの念頭には、ダイアナ・クラールとクラウス・オガーマンのコラボによる大傑作「ルック・オブ・ラブ」があったことは、ほぼ間違いなく、あれをもう少しボサノバ寄りにした作品といえば大体間違いないところだと思います。ちなみに、このアルバムでの彼女はピアニストではなく、ほぼヴォーカリストに終始しています。もちろんピアノも随所に出てくる訳ですが、はっきりいって彩りを添えているという感じですね。このあたりもクラールの「ルック・オブ・ラブ」と同じようなバランスといえます。


 ちなみに「ルック・オブ・ラブ」では御大オガーマンのアレンジだったのですが、ここではロブ・マティスがかなりオガーマン風に洗練されたストリングスのアレンジやっていて、これまたなかなかです(オガーマンよりちょっと温度感が高いかな)という訳で、いろいろな意味で、きわめて「ルック・オブ・ラブ」的な作品です。もちろん、本家を超えたとまではいかないけれど、なかなか迫ってます。夏向きの極上の作品で、個人的には夏のエバー・グリーン・アルバムです。

コメント
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