イリアーヌ・エリアスの97年の作品。これまでピアノ・トリオにせよフュージョンしたところで、かなり音楽主義的な作品を出してきた彼女ですが、ここで彼女自身が日和ったのか、日本から要請に負けたのかは定かでないものの、この作品ではかなりの路線変更をしています。ひとくちにいえば、これまでほとんど遊び程度だったヴォーカルを本格的にフィチャーしたアルバムということなんですが、しかも素材となるのがジョビンのボサノバ・スタンダードとくれば、ここで一気に「美人ヴォーカリスト」として売りだしにかかったな....みたいな印象を誰だって受けるでしょう。元々彼女のファンだった私はさすがにこれには、少々あざとさみたいなものを感じないでもなかった訳ですが、一般的にはどうだったんでしょうね。
ともあれ、内容的にはかなり本格的なボサノバ・アルバムです。予想されたような甘口なフュージョン・サウンドにのっかったポップなアルバムではなく、どっちかといえばアナ・カランとかああいった路線に近い、ジャズっぽさはあまりない、ちょっとシリアスですかすかなアコスティック・サウンドをベースにした今風のボサノバ・サウンドといった感じでしょうか。まぁ、こうしたサウンドでもってボーカル・アルバムを作ったところに、逆に彼女の音楽的誠意のような感じたりするもする訳ですが、やはり音楽的には「ただのボーカル・アルバムにはすまい」と、ちょっとアレンジなど考え過ぎたんでしょうか。音を刈り込み過ぎて、ちょいとストイックでやや息苦しいところがなきにしもあらずです。時折入るマイケル・ブレッカーのサックスとオスカー・カストロ・ネヴィスのギターの組み合わせからして、現代の「ゲッツ・ジルベルト」的な雰囲気をねらっていたのは明らかなんですが、ちょいと華がなかったというところでしょうか。
ともあれ、内容的にはかなり本格的なボサノバ・アルバムです。予想されたような甘口なフュージョン・サウンドにのっかったポップなアルバムではなく、どっちかといえばアナ・カランとかああいった路線に近い、ジャズっぽさはあまりない、ちょっとシリアスですかすかなアコスティック・サウンドをベースにした今風のボサノバ・サウンドといった感じでしょうか。まぁ、こうしたサウンドでもってボーカル・アルバムを作ったところに、逆に彼女の音楽的誠意のような感じたりするもする訳ですが、やはり音楽的には「ただのボーカル・アルバムにはすまい」と、ちょっとアレンジなど考え過ぎたんでしょうか。音を刈り込み過ぎて、ちょいとストイックでやや息苦しいところがなきにしもあらずです。時折入るマイケル・ブレッカーのサックスとオスカー・カストロ・ネヴィスのギターの組み合わせからして、現代の「ゲッツ・ジルベルト」的な雰囲気をねらっていたのは明らかなんですが、ちょいと華がなかったというところでしょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます