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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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ANTONIO CARLOS JOBIM / Love, Strings and Jobim

2006年08月30日 01時39分50秒 | Jobim+Bossa
ジョビンのカタログはとても分かりにくい。一体何枚だしているのか、そもそもどんなアルバムがあるのか、全貌がさっぱり分からないのだ。あまり頻繁ではないが、共演作も含めれば、もう何年もなにがしかの年に一枚や二枚は必ず発掘され続けている。おそらく60年代中盤からしばらくの間、時代の寵児だった彼は大量のジョビン名義の作品をつくったに違いなく、これからもしばらくはそうしたベースが続くものと思われる。2,3年前に発掘された作品で、66年にワーナーからアルバムである。

 内容はタイトルからも分かる通り、ストリングスをメインにした軽いBGM風なインスト風なボサノバで、明らかに「イパネマ娘」に二番煎じを狙ったことがみえみえの仕上がりだが、良くも悪しくもアレンジがオガーマンではなく、エミール・デオダートというところがミソだ。私はジョビンとデオダートの組み合わせといえば、70年の「潮流」が初顔合わせだとばかり思っていたので、それをさかのぼること数年前に既にこの組み合わせが実現していたとは少々驚きだった(とはいえ、このアルバムにはジョビンの演奏はほとんど入っていないものと思われるが)。

 音楽的にはストリングスを主体といっても、オガーマンのようなクラシカルで格調高いものではなく、もう少し下世話で通俗的なもので、ある意味本場物的な野趣を感じさせる部分も目立つある仕上がりといえる。全くの想像だが、このアルバム、ひょっとすると本国で制作されたものを、ワーナーがOEMかなにかして発売したものではないだろうか。どうもアメリカ資本で作ったにしては、今月の頭でレビュウしたデオダート名義の「The Bossa Nova Sessions」と共通する「ブラジルで作ったアメリカンナイズされたボサノバ」みたいな色合いが強すぎるような気がするのだが....。
コメント
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