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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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クラウス・オガーマン/ラテン・ロック

2006年08月02日 23時28分10秒 | Jobim+Bossa
昨年の秋頃に購入してずっと寝かしてあったものです。クラウス・オガーマン名義のこんなアルバムがあったとは驚きで、確実に「珍盤」の部類でしょう。内容的には1967年に制作されたオガーマン編曲による8ビートをベースにしたラテン音楽....だから、タイトルは「ラテン・ロック」か、分かり易す過ぎる(笑)。おそらく「イパネマの娘」の大成功で、オガーマンには「ラテン音楽をイージー・リスニング的に編曲する名人」みたいな定評ができてしまい、この種の依頼がかなり舞い込んだんでしょうね。これなどもそういうオファーによる「やっつけ仕事」という感じがします。

 音楽的には、ラテン・パーカッションがメイン、コーラスなども取り入れて、いかにも「あの時代のラテンBGM」という感じ。ただし、オガーマンのメルクマールであるストリングスがこのアルバムには入っていないので、時折冴えた響きで物憂げになる木管楽器がヨーロッパ的なオガーマンズ・オーケストレーションの片鱗を味あわさせてくれるくらいで、私のようなオガーマン目当てで購入してきた人間には、ちと食い足りない感じもなくはないですが、むしろこのアルバムはクラブ関係者が血眼で発掘している、60年代中盤~後半の「誰も知らないイナタいジャズ・ロック」という文脈での発売でしょうから、そういう意味では、このアルバムの通俗味と泥臭さはうってつけなのかもしれません。

 ちなみに収録曲について少々書いておくと、冒頭の「テキーラ」が同じオガーマンの編曲でウェス・モンゴメリーがやっている曲ですから、これはほぼあの演奏のヴァリエーションという感じで楽しめます。「サン・ファン」はミディアム・テンポのちょっと物憂げな作品で、一番オガーマンらしいセンスを感じさせる編曲。ラストは超有名曲「マシャケナダ」ですが、そういえば、このアルバム、ハープ・アルバートあたりセンスをオガーマンが拝借したブラスのアレンジが頻出しまして、この曲などその好例といえるかも。
コメント (1)
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