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地球防衛軍

2006年08月28日 21時35分56秒 | MOVIE
 もう盆踊りの時期はとうに過ぎてしまったが、毎年夏になり盆踊りの音がそこかしこから聞こえくるころになると、なんともなしに思い出すのが「地球防衛軍」という昭和32年に東宝が作った特撮映画の冒頭というか導入シーン。場所は富士山の麓らしい村で、夏らしく盆踊りが繰り広げられているところに、二組のカップル(佐原健二+白川由美、平田昭彦+河内桃子)が登場する。佐原、白川、河内は楽しそうだが、平田だけは浮かない顔している。やがて「踊ろうか」と佐原がいいだすが、平田はそれに応えず、祭りの会場に背を向けてどこかにいってしまう....というものだ。物語はこのあと、近くで不可思議な山火事がおこり....と、急速にそれらしい展開になっていくのだが、これ自体はとりたてて、注目するほどシーンではない....というか、なんてことない場面である。ところが、どうも子供の頃からこのシーンが忘れられない、夏になると思い出すのである。

 この映画は前述のとおり昭和32年につくられているから、その2年後に生まれた私はもちろんリアルタイムで観ていない。多分観たのは昭和40年代前半頃、テレビで放映された時だったと思う。その時の印象はというと、映画の出来云々より、とにかく「とにかく世相が古い」と感じたのをよく覚えている。車は古いし、お巡りさんは開襟シャツを着ている、男の髪型は皆オールバック、女はおばさんでもないのにパーマだ....という感じで、ビートルズ以降、サイケなファッションが席巻していたあの時期にはいかにも古いものに思えたのだ。
 なので、当時の私は「特撮映画だというのに、しょっぱなから盆踊りはないだろう」とでも思ったのかもしれないし、いかにもひと昔前の美男美女が古くさい盆踊りに登場するという、当時のドラマ的リアリティーからすると出来過ぎなシーンに違和感を覚えたのかもしれないが、正確なところはよくわからない。とにかく、夏になると、私は森永チョコレートのたすきがこれみよがしに櫓にかかるこのシーンが懐かしかくなる。実はそれだけの話である。

 ちなみに、「地球防衛軍」という映画はもう何年も観ていないが、きっと現在観ると、このシーンは昭和の一番いい時代の「懐かしいひとこま」を記録した、存外レトロな良い場面なんじゃないかと思ったりもするのだが....。
コメント
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