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SANTANA / Caravanserai

2005年12月22日 00時13分30秒 | ROCK-POP
 同じ72年に発表された作品とはいえ、先日レビュウした「Carlos Santana & Buddy Miles Live!」は初期の総決算だったすれば、こちらはサンタナが新しい地平に乗りだした作品ということになると思う。このあたりの変化は、その後のマクラフリンとのコラポレーションになどにも発展するサンタナ自身の真摯な宗教への傾倒みたいなところに由来しているというのは、当時から有名な話だった。音楽的には従来のイケイケなノリがぐっと後退し、叙事詩的スケールが高まり、思索的なムードも併せて濃厚となったということなのだろう。

 虫の音に始まるこの旧A面は、マイルスの「ビッチズ・ブリュウ」を思わせる、やけゆったりとした仮想アフリカ的な空間で、各種インストの切れ切れのフレーズを組み合わせて、なにやら広大な空間を感じさせるサウンドを形成していくあたりは、ほとんどそっくりといってもいい。それ以降「躍動」「宇宙への仰視」といった曲では、徐々に従来のサンタナ・サウンドに近づいていき、旧A面ラストの「宇宙への歓喜」至ってようやくサンタナ的な熱狂が再現されるという構成は、さながらスケールの大きな交響詩でも聴いているようであり、その格調の高さ、構成の見事さは確かに従来とは異質な次元の高さである。
 旧B面は現音風な空間サウンドとラテンパーカッションのコラージュみたいな「融合」、ジョビンの名曲「ストーン・フラワー」、従来型のラテン風味を多少抽象化したような「リズムの架け橋」、ドラマチックに炸裂する名曲「果てしなき道」とヴァリエーションに富んだ楽曲が並ぶ。

 という訳で音楽性や高さやスケール感、威風堂々とした音楽の偉容など、まさに名盤に相応しいたたづまいである。純文学性やシリアスなものを尊ぶ日本人が、この音楽をどこの国よりも高く評価したのは、さりありなんという気しないでもないが、21世紀にもなって、今更サンタナの音楽をクロノジカルに追体験している当方としては、この変化というのは、正直いって「若気の至り」というか、「本当の自分をみつけるための通過儀礼」だったような気がしないでもない。「オレはロック・ミュージシャンじやない、アーティストなんだ」ってところか、まぁ、気負いは分かるけどねぇ、という感じもするのも正直なところ....なんていったら怒られるかな(笑)。

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1 コメント

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過去記事で書いてます (nary)
2005-12-22 00:42:45
なんかまとまりのない記事ですが、恥ずかしながらTBさせてもらいます。
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