つい先日まで来日していたジェフ・ベックだが、これはそれに合わせたのか、昨晩NHKのBS hiで放映された、2007年11月イギリスはロニー・スコッツ・クラヴにおける行われたライブである。このライブは既にCDでも出ているが、映像の方はBBCでシューティングされたものらしいので、恐らくそうした事情でNHKでオンエア可能となったのだろう。この映像と全く同一になるかどうかはともかくとしても、このライブはDVDとしても間もなく発売されるようだから、その意味では「ワールドプレミアライブ」という番組名もまんざら看板倒れではない(笑)。
さてジェフ・ベックだが、近年の活動についていえと「そういえば、ライブ盤を連打してたな」くらいの知識しかなく、今回のライブなどについても全く予備知識なしに観はじめたのが、スタジオではテクノだのドラムンベースだのやっているらしいが、今回のライブはギター、ベース、キーボード、ドラムという4ピース・バンドによる、基本的には四半世紀前と全く変わらない、実にオーソドックスなベック流王道ロック・インストゥメンタルであった。
ただし、今回のライブは少人数の会場、BBCのシューティングということからして、なにか特別なコンサートだったのだろう、ベックのテンションもかなり高く、かつて自分の書いたフレーズをそのまま引用すると「ロック・ギターの完璧なお手本であると同時に完璧にワン・アンド・オンリーな世界でもあるという、二律背反をいとも簡単に実現してしまっている」あの暗い情念とテンション、そしてシャープなダイナミズムが渾然一体となった、例のフレージングを全開している(それをドアップで観れる)のは、けだし見物であった。いやー、この人の個性というか音楽的な自我みたいなものはもはや時代を超えてます。
ちなみにメンツだが、当代ナンバーワン・ドラマーといっても過言ではないヴィニー・カリウタを格闘相手に、話題の女流ベーシスト、タル・ウィルケンフェルドとキーボードのジェイソン・リベイロが脇を固めるという布陣。カリウタは例によって凄まじいテクニックだが、ライブだと更に壊れたコンピュータのような壮絶な暴れ方で、まさにベックと肉弾戦を演じている。昔より高速に演奏される「スキャッターブレイン」など、さすがに縦割りでみれば乱れがちなところもないではないが、音楽はとんでもなく凄いことになっていて、きっと会場にいたら、息がぜいぜいしてくるんじゃないと思うほどだ。
ちなみに男なら誰でも思わず目がいく(笑)、ベースのタル・ウィルケンフェルドはまだ20代前半の妙齢のベーシストだが、今の若い世代らしく、テクニックもボキャも十全なのに加え(ただしジャズ系ではないようだ)、ゆったりとしたグルーブ感があってなかなかもの。ああいう重鎮に囲まれて萎縮する訳でも、またいきりたつ訳でもなく実に伸び伸びとニコニコ演奏しているのは絵的にも楽しいものがあった。キーボードは初めて聴く人だが、まぁ、この人も今時な「超絶技巧な軽いヤツ」という感じ。
ついでに書くと、イギリスのR&B系の女性ボーカルをゲストに迎えたボーカル作品では、ブルージーなギターが堪能できて、音楽的に似ていた訳でもないが、大昔のジェフ・ベック・グルーブを思い出してしまったりしたが....。
大昔といえば会場にはジミー・ペイジだの、ロバート・プラントなどの有名人が一杯だが、そうこうしているうちにラストのゲストであるエリック・クラプトンの登場。ヤッピー風に洗練されたオジサンになってしまったクラプトンに比べ、ベックの方はまるで時間が止まったようなロック・ミュージシャンといった風情で、このルックスの対比はいろいろな意味で歳月の流れを感じさせるに十分(笑)。でも、こういうシチュエーションで聴くと、クラプトンの陰影ある流れるようなギター・フレーズもやっぱ素晴らしいよなぁ....という訳で、あれよあれよという間の90分。楽しかったぁ。
さてジェフ・ベックだが、近年の活動についていえと「そういえば、ライブ盤を連打してたな」くらいの知識しかなく、今回のライブなどについても全く予備知識なしに観はじめたのが、スタジオではテクノだのドラムンベースだのやっているらしいが、今回のライブはギター、ベース、キーボード、ドラムという4ピース・バンドによる、基本的には四半世紀前と全く変わらない、実にオーソドックスなベック流王道ロック・インストゥメンタルであった。
ただし、今回のライブは少人数の会場、BBCのシューティングということからして、なにか特別なコンサートだったのだろう、ベックのテンションもかなり高く、かつて自分の書いたフレーズをそのまま引用すると「ロック・ギターの完璧なお手本であると同時に完璧にワン・アンド・オンリーな世界でもあるという、二律背反をいとも簡単に実現してしまっている」あの暗い情念とテンション、そしてシャープなダイナミズムが渾然一体となった、例のフレージングを全開している(それをドアップで観れる)のは、けだし見物であった。いやー、この人の個性というか音楽的な自我みたいなものはもはや時代を超えてます。
ちなみにメンツだが、当代ナンバーワン・ドラマーといっても過言ではないヴィニー・カリウタを格闘相手に、話題の女流ベーシスト、タル・ウィルケンフェルドとキーボードのジェイソン・リベイロが脇を固めるという布陣。カリウタは例によって凄まじいテクニックだが、ライブだと更に壊れたコンピュータのような壮絶な暴れ方で、まさにベックと肉弾戦を演じている。昔より高速に演奏される「スキャッターブレイン」など、さすがに縦割りでみれば乱れがちなところもないではないが、音楽はとんでもなく凄いことになっていて、きっと会場にいたら、息がぜいぜいしてくるんじゃないと思うほどだ。
ちなみに男なら誰でも思わず目がいく(笑)、ベースのタル・ウィルケンフェルドはまだ20代前半の妙齢のベーシストだが、今の若い世代らしく、テクニックもボキャも十全なのに加え(ただしジャズ系ではないようだ)、ゆったりとしたグルーブ感があってなかなかもの。ああいう重鎮に囲まれて萎縮する訳でも、またいきりたつ訳でもなく実に伸び伸びとニコニコ演奏しているのは絵的にも楽しいものがあった。キーボードは初めて聴く人だが、まぁ、この人も今時な「超絶技巧な軽いヤツ」という感じ。
ついでに書くと、イギリスのR&B系の女性ボーカルをゲストに迎えたボーカル作品では、ブルージーなギターが堪能できて、音楽的に似ていた訳でもないが、大昔のジェフ・ベック・グルーブを思い出してしまったりしたが....。
大昔といえば会場にはジミー・ペイジだの、ロバート・プラントなどの有名人が一杯だが、そうこうしているうちにラストのゲストであるエリック・クラプトンの登場。ヤッピー風に洗練されたオジサンになってしまったクラプトンに比べ、ベックの方はまるで時間が止まったようなロック・ミュージシャンといった風情で、このルックスの対比はいろいろな意味で歳月の流れを感じさせるに十分(笑)。でも、こういうシチュエーションで聴くと、クラプトンの陰影ある流れるようなギター・フレーズもやっぱ素晴らしいよなぁ....という訳で、あれよあれよという間の90分。楽しかったぁ。
コレ聴いてから前々作の"Who Else!"聴き直して改めてこっちの方も評価訂正中。
途中でソロだっか、長いフィルだったか忘れたけれど、カリウタがぶっこわれたコンピュータよろしくドラムを暴走させるところあって、そこで彼のメガネがずり落ちそうになるんすよ。そしたら、それ観ていたベック、「おい、メガネ落ちそうだぜ」みたいな、おちょこるアクションするんだけど、カリウタの方は叩きながら「ははは、うるせー、バ~カ!」みたいに返すシーンがあって、なかなか笑えるんだけど、きっとCDで音楽だけ聴いていると、壮絶極まりない感じなんだろーなぁ。笑いあいながら、余裕でああいうことできる連中、凄すぎです。
そうですね。音だけ聴いていたら必死の形相でやってそう。こりゃ3月25日発売のDVDは買わねば!
さぁ♪今度の四半世紀は、なんのアートシアター♪を魅せてくれるのかな?
ベックさん!18年生まれの67才、まだまだ!やってくれる!名誉学位取得者だ!