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ハイドン 交響曲 第46番「ゲネラルパウゼ」/フィッシャー&オーストリア・ハンガリー・ハイドンPO

2010年01月16日 12時40分59秒 | ハイドン
 46番もシュトルム・ウント・ドランク期の作品のようです。この時期は交響曲のナンバリングがクロノジカルにだいたい並んでいるようなので、20番代や30番代のように時代があっちこっち飛ばないので、作品の立ち位置を考えるには分かりやすいですね。さて、作品ですが、第1楽章は精力的で伸びやかな第一主題がおもむろに登場してきますが、むしろ目立つのは第二主題の方。これが短調へと動いて展開部では大きな存在感を発揮するため、長調の楽章でありながら、むしろシュトルム・ウント・ドランク期らしい、激情的なドラマを感じさせる佇まいになっています。展開部後半などは44番、45番あたりと共通する疾風怒濤なハイドンになっていて、転調を重ねていく部分などかなり劇的です。

 続く第2楽章は短調のシチリアーノになっています。この形式独特な哀感と静謐を感じさせるムードでもって進んでいきますが、こういう曲だけに主体となるのは当然弦楽で、一見なだらかに進んでいくようでいて、いろいろリズム的な仕掛けが施されているようです。個人的には第二主題の多少弱々しいものの楚々として風情が印象に残りました。第3楽章のメヌエットは約2分半で終わる非常に短い音楽です。主部はヴィオラのソロなども配置された格調高いものですが、トリオになるとやはり短調に転じて、ほの暗い雰囲気になっていきます。最終楽章は第1楽章の第一主題のムードに戻り、活気があり動きの激しいプレストで進みますが(ホルンがいい隠し味になってます)、45番「告別」のそれと似たような感じで、直線的に少し進んでいきそうなところでプイと休止が入ってしまうのがおもしろいですね。とにかく一筋縄ではいかない音楽という感じで、こういう流れの断絶して、余韻を残すみたいなやり口(?)は、ちょっと後年のブルックナーを思い出させたりしますね。

 さて、お約束のニックネームですが、ハイドンの交響曲もシュトルム・ウント・ドランク期に入り、どうやら一番最初の「名曲の森」に入っていているのか、デフォルトでニックネーム付いていた曲が続いたので、こちらはけっこうラクチンでしたけれど(笑)、この曲の場合、第4楽章の随所に織り込まれるいるこの休止にちなんで、ゲネラルパウゼ(Generalpause)とでもしておきましょうか、カッコつけて略称の「G.P.」でもいいですどね。ともあれ、この時期の交響曲ともなると、以前と違い曲自体の個性が古典期の様式を越えてきたこと感じさせる場面がしばしばあり、ニックネームは付けやすい感じがします。

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