1976年に発表された彼らの歴史でも異色作と呼ぶに相応しい作品。なにが異色なのか、といえば、投げやりなジャケットも異色だが、やはりアレンジにボブ・ジェームスを連れてきたことだろう。デビッド・クレイトン・トーマスが復活しての「New City」は出来としては今二歩くらいの出来ではあったけれど、一応BSTらしい仕上がりとはいえた。ところが、それがどうして突然ボブ・ジェームスなのか、どうも釈然としない。おそらく前々作「Mirror Image」でヘンリー・コスビーが呼んできたようなパターンなのだろうが、それにしても、これだけ「軒を貸して母屋を取られる」状態だとなおさらだ。なにしろメンツからして、もうバンドの体をなしていない。ベースのゲイリー・キング、キーボードはホブ・ジェームスにリチャード・ティー、ギターにスティーブ・カーン、エリック・ゲイル、パーカスにドン・アライアス、ジョン・ファデスを筆頭に数人にブラス隊と、もう補強したとかそういうレベルではなく、ほぼ完全なボブ・ジェームス・バンドなのである。
音楽的にも1曲目の「They」からして、ブラスにせよ、リズム・パターンにしても、ほぼまごうことなき「CTI時代のボブ・ジェームスの音」である。途中、込み入ったリズムでインスト・パートが延々と進行していくところなど、「はげ山の一夜」的なダイナミックさをフィーチャーし、タイトル曲や「You're the One」もストリングを配置したクラシカル路線というのもそれ的だ。「Katy Bell」も多少カントリーくさいアレンジだが、やはりこのブラスはどう聴いてもBSTではなく、ボブ・ジェームスのプラス隊だ。
作曲面でみても、ラリー・ウィルスが作曲した唯一のインスト「Heavy Blue」もボブ・ジェームスの「3」か「4」に入っていそうな、ファンキー・フュージョンという感じだし、唯一、クレイトン・トーマスが作曲に絡んだ数曲にボブ・ジェームスらしからぬアーシーさを感じさせるといったところだろうか。ちなみに意外にもパティ・オーイスティンが作った「Sweet Sadie the Savior」というソウル風な曲は、なぜだか本アルバム中、一番BSTらしかったりする。
ともあれ、これで「Mirror Image」でやらかしたような、これまでのBSTファンが真っ青になるくらいのポップさだとか、快適フュージョンみたいな路線にいってれば、これはこれで良かったのだろうが、残念ながら、この時期のボブ・ジェームスはまだポップさというものにまだ吹っ切れていなかった時期なので、例えば、後年ケニー・ロギンスのアルバムを手がけた時のようなぶっち切ったポップさのようなものが未だ発揮していない憾みがあるのはちと残念。あと2年あとだったら、もっと素晴らしいアルバムになったと思うのだが....。
という訳で、このアルバムを最後にBSTは古巣のCBSを離れ、唯一残っていたオリジナル・メンバーであるコロンビーも脱退。それ以降のBSTは実質的にクレイトン・トーマスとそのバックバンドみたいな形で継続されていくことになる。私もさすがにこれ以降の彼らのアルバムは購入していない。
音楽的にも1曲目の「They」からして、ブラスにせよ、リズム・パターンにしても、ほぼまごうことなき「CTI時代のボブ・ジェームスの音」である。途中、込み入ったリズムでインスト・パートが延々と進行していくところなど、「はげ山の一夜」的なダイナミックさをフィーチャーし、タイトル曲や「You're the One」もストリングを配置したクラシカル路線というのもそれ的だ。「Katy Bell」も多少カントリーくさいアレンジだが、やはりこのブラスはどう聴いてもBSTではなく、ボブ・ジェームスのプラス隊だ。
作曲面でみても、ラリー・ウィルスが作曲した唯一のインスト「Heavy Blue」もボブ・ジェームスの「3」か「4」に入っていそうな、ファンキー・フュージョンという感じだし、唯一、クレイトン・トーマスが作曲に絡んだ数曲にボブ・ジェームスらしからぬアーシーさを感じさせるといったところだろうか。ちなみに意外にもパティ・オーイスティンが作った「Sweet Sadie the Savior」というソウル風な曲は、なぜだか本アルバム中、一番BSTらしかったりする。
ともあれ、これで「Mirror Image」でやらかしたような、これまでのBSTファンが真っ青になるくらいのポップさだとか、快適フュージョンみたいな路線にいってれば、これはこれで良かったのだろうが、残念ながら、この時期のボブ・ジェームスはまだポップさというものにまだ吹っ切れていなかった時期なので、例えば、後年ケニー・ロギンスのアルバムを手がけた時のようなぶっち切ったポップさのようなものが未だ発揮していない憾みがあるのはちと残念。あと2年あとだったら、もっと素晴らしいアルバムになったと思うのだが....。
という訳で、このアルバムを最後にBSTは古巣のCBSを離れ、唯一残っていたオリジナル・メンバーであるコロンビーも脱退。それ以降のBSTは実質的にクレイトン・トーマスとそのバックバンドみたいな形で継続されていくことになる。私もさすがにこれ以降の彼らのアルバムは購入していない。
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