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KENNY BURRELL/Have Yourself A Soulful Little Xmas

2009年12月24日 00時01分32秒 | JAZZ
 こちらは1966年にケニー・バレルが作ったクリスマス・アルバムである。リチャード・エヴァンスの編曲によるオーケストラ(弦も入る)に、ベース、ドラムスを加えたスタイルで収録されている。ケニー・バレルといえばブルージーで、ややダークでアーシーなセンスが横溢するギターワークということで、ジャズ・ギターといえば、ウェス・モンゴメリーやバーニー・ケッセルだったりする私には、内容的にはどうだろう....と思わないでもなかったが、これがなかなかの出来であった。先のジミー・スミスのようにビッグ・バンドでガンガン迫る、あるいは通俗路線のポップさでノリノリみたいなところがなく(いや、ないではないが)、これみよがしなことがほとんどなく、しっとりと落ち着いて、センスよくリラクゼーションを誘う....とまぁ、私のような独身オヤジが今日みたい夜に、安酒でも飲みつつ耳を傾けるのにぴったりという感じの音楽なのだ。

 なにしろ、やや斜に構えたような編曲がセンスもいい。冒頭の「Little Drummer Boy」はラヴェルのボレロのハイライトのとこを拝借したような感じで始まり、そのまま例のブルージーなギターが縦横に歌うあたりは聴き物だし、お待ちかね「Have Yourself a Merry Little Christmas」と「Christmas Song」は、ストリングスをバックにしみじみと歌っているのがいい。暖かみのあるヴァイブや木管の響きもいいアクセントになっている。同曲の演奏としては久々のヒットという感じである。「White Christmas」はオーケストラなしで、ピアノ・トリオ+ギターの編成でもって、これまたしっとりとまさに「真夜中のギター」した演奏となっている。また、「Silent Night」はゴスペル風、「Twelve Days of Christmas」ではバロック風なオケを帯同、「Mary's Little Boy Chile」はカリプソ風、「Children Go Where I Send Thee」はゴーゴーと音楽的ヴァリエーションも豊富で実に楽しめる。ラストの「Merry Christmas, Baby」はオルガンを従えての、モロにバレルしたブルージーな演奏で彼の面目躍如である。

 そんな訳で、ジャズ系のクリスマス・アルバムとしては、かなり気にいった。もう間に合わないが、来年はカーコンポへ録音など、個人的にはクリスマス物の定盤になりそうである。実を云うと、これ先日のジミー・スミスと一緒に2,3年前に購入したものだが、なんでももっと早く聴かなかったのだろう....という気がしている。ちなみに何故だか3曲目にコルトレーンの「My Favorite Things」が入っていて、3分半と短いながら、ビッグバンドを従えて、実に気合いの入った演奏を展開しているのだが、これクリスマスに由来する曲なのだろうか。

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