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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

LOREZ ALEXANDRIA / Singing Songs Everyone Knows

2007年04月05日 23時47分52秒 | JAZZ
 「ディープ・ルーツ」のところにも書いたけれど、ロレツ・アレキサンドリアは若い頃レーベルをいろいろと渡り歩いたせいか、カタログがとても分かりにくい。このアルバムが発売元であるキング・レーベルはシカゴのマイナー・レーベルらしいのだが、ジャケを見てもパーソナルはもちろん、録音時期すら書いてないのは困りものだ。ネットでいろいろ調べてみたところ、あまりファンも多くないようで、ご本人の公式ページはおろか、ファン・ページすらないありまさで、この作品も正確なデータはよく分からないのだが、どうも1959年のモノラル録音で彼女の2枚目ということになるらしい(おっと、ついでに知ったのだが、彼女は2001年に72歳で亡くなっているらしい)。

 さて、このアルバム、サブタイトルが「Singing Song Everyone Knows」となっていることからも分かる通り、スタンダードでもとりわけ有名な曲ばかりを歌っている。編成もオーケストラ、ビッグ・バンド、スモール・コンボと多様であり、ひょっとすると売り出し中の新人ジャズ・ボーカリストとして、当時のエラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンと同じ土俵で勝負したというところなのかもしれない。
 「Just One of Those Things」はビッグ・バンドをバック快調にスウィングし、調度前述のふたりの中間をいくようなスキャット・ボーカルも披露している。「Lush Life」や「Sometimes I'm Happy」では、まるでサラ・ヴォーンにもなれることを証明したがっているような貫禄をみせる。また、エラ・フィッツジェラルドのオハコ「Angel Eyes」では、ピアノ・トリオをバックにエラに迫る巧みな感情表現をみせたりもする。

 という訳で、彼女のヴァーサタイルな側面がよく出た作品なのだが、大規模なバックを従えた曲では前述のとおりちと両先輩を意識し過ぎたところもあるようだ。やはり彼女にのような都会的なクールなタイプだと、オケなどよりピアノ・トリオをスモール・コンポをバックにした曲の方が個性を発揮しているような気もする。「Spring Is Here」や「I Didn't Know What Time It Was」といった曲では彼女のカッコ良さがよくでている。
 あと「But Beautiful」は「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」て再演した曲。クールさとパッショネートな情感を行き交う巧みな歌い振りは、既にこの時に既に出来上がっていて聴いていてうれしくなる。
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マリエル・コーマン・ウィズ・ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ/BETWEEN YOU&ME

2007年04月05日 00時31分24秒 | JAZZ
 ヨス・ヴァン・ビースト・トリオにボーカルのマリエル・コーマンが加わった2004年の作品。確かこれの前にもう1作あったはずで、なんとなくそちらも購入したような記憶がないでもないのですが、探しても見あたりませんでしたので、おそらくこちらを先に購入して、気に入ったら、第1作も購入しようかという算段だったのかもしれません。このあたりの記憶が最近とみに曖昧なのは歳のせいなのか、単に購入のし過ぎなのかよくわかりませんが(おそらくその両方-笑)、ともかく購入しても、すぐ聴かずに寝かせてしまうのが、最近で常態していていね弊害がもろに出ているという感じです。ったく、自分が買ったCDくらい覚えてろよ....って感じであります(笑)。

 さて、ヨス・ヴァン・ビースト・トリオにマリエル・コーマンが加わったこの作品ですが、なかなか良い仕上がりです。マリエル・コーマンはヨス・ヴァン・ビーストの奥方らしいのですが、アメリカのジャズ・ボーカルのようなコテコテ感が全くなく、どちらかといえばボサノバやポップス系でもイケそうな、クセのないヨーロッパ的に温度感の低い声質が特徴といえ、さえずるような歌い方もとてもチャーミングです。まぁ、このあたりの音楽的感触はヨス・ヴァン・ビースト・トリオがいつもやっている音楽ともぴたりと一致する訳で、ピアノ・トリオの延長線上で彼女の連れて来たのも故なきかなという感じですか。

 収録曲は例によって、スタンダードや主体ですが、ボサノバやシャンソンも歌われていて、このあたりは彼女のキャラクターを生かすべくして選曲したというところなのでしょう。例えば、私の大好きな「春の如く」を軽いサンバのリズムで歌っているあたりなかなかのセンスでとても気に入りました。また、ヨス・ヴァン・ビーストも今回はフロントから脇に回り、トミー・フラナガン的なスタンスでピアノを弾いていますが、妙に生き生きしているのは、歌っているのが奥さんだからという理由だけではないでしょう。ホントはこういう歌伴が実力を発揮するタイプの人かもしれないなぁ>ヨス・ヴァン・ビースト。 
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