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ヘンリー・マンシーニ/モア・ミュージック・フロム・ピーター・ガン

2007年04月02日 23時56分58秒 | サウンドトラック
 タイトル通り、昨日取り上げた「ミュージック・フロム・ピーター・ガン」の続編です。前作の翌年、つまり59年に収録されたものですが、サントラで続編が出るというのは、例えば「2001年宇宙の旅」とか「アマデウス」とか、後年に例がない訳ではありませんが、そうそうないような気がします。いずれににせよ、当時いかにこれが受けたか推して知るべしといったところでしょう。全体としては、前作のタイトル曲や「ドリームズヴィル」といった有名曲が見あたらないのはやや残念ではありますが、内容的にはほぼ前作の音楽を忠実に敷衍したものとなっています。では、主要な曲を拾ってみましょう。

 1曲目の「ウォーキン・ベース」は文字通りブルージーなベースのリズムが印象的な作品で、都会の裏路地が似合いそうなサウンドは、その後「ピンク・パンサー」などにも受け継がれていきます。2曲目の「ティモシー」はその後のマンシーニのある部分を予見するようなマーチ風なテーマをもっています。もっとね中間部ではソロをフィーチャーしたスウィンギーな展開となりますが....。3曲目「ジョアンナ」は「ドリームズヴィル」を思わせるトミー・ドーシー風なサウンド。4曲目「マイ・マン・シェリー 」はシェリー・マンをフィーチャーしたリズミックな作品。6曲目「オド・ボール」は軽快なビッグ・バンドをフィーチーし、ソロ・パートではヴァイブ、トランペット、サックス、フルートなど多彩なソロが彩りを添えます。
 7曲目「ブルー・スティール」は更にテンポを上げたグレン・ミラー風なビッグ・バンド・サウンドです。9曲目の「スプーク!」はジャズというよりドゥーワップ風な異色作。10曲目の「クワイエット・ガス」は前作路線のシアリング風なサウンドをフィーチャーしたスローな作品。12曲目の「ブルース・フォー・マザーズ」はテッド・ナッシュのアルト・サックスとジョン・ウィリアムスのピアノをフィーチャーしたちょっとアーシーでムーディーな作品で、やはりシアリング風なユニゾンがいかにもオシャレな雰囲気を醸し出しています。

 という訳で、このアルバム、前述のとおり基本的には前作の延長線とは書いたものの、じっくりと聴くと、音楽的なパリエーションがかなり拡がり、ジャズ色も多少濃厚になって前作以上に多彩なソロがフィーチャーされていることに気がつきます。このあたりは「続編」ということで、マンシーニがアレンジャーとして腕の振るいどころだったポイントなのかもしれませんね。あと、シェリー・マン参加でリズムをタイトになっているのも注目です。 
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