シェーンベルク弦楽四重奏団は、英国のマイナー・レーベル、シャンドスで新ウィーン楽派を中心にレコーディングしている1976年に結成されたオランダの弦楽四重奏団。グループ名にシェーンベルクの名を冠しているのは、おそらくシェーンベルクの関係団体から称号でももらったのかもしれないが、よくわからない。シャンドスはマイナー・レーベルとはいえっても、かなり有名どころではあるし、バンド名にシェーンベルクを冠しているからには、おそらくその筋のエキスパート達なのだろう。ここのアルバムはシェーンベルクの弦楽四重奏曲関連の曲を一挙に集めた5枚組のCDで、これはその中の1曲という訳である。
演奏だが、とにかく耳障りなところがない、穏やかで滑らかな演奏で、「今の時代、「浄夜」はこう演奏するものなのか」と思うほど、これまで聴いた3種の演奏とは違う趣を持っている。「浄夜」といえは、昔からシェーンベルク唯一の有名曲として、BGM的な聴かれ方すらしてきた曲だし、今更古典化もなにもないだろうと思っていたのだが、マーラー同様、時代の変遷に伴ってその曲の演奏スタイルも確実に変化していたという訳である。ひとくちにいえば、この曲の随所にある「何もそこまで」的に容赦のない表現主義的に激しいところをオブラートにつつみ、ごくごくスタンダードなロマン派的音楽の流れの中で、それを自然に溶け込ませたような演奏とでもいったらいいだろうか。早い話、まるでチャイコの「弦楽セレナーデ」か演奏する時のように、既に完全に古典化した曲を当たり前に演奏する自然な感覚が感じられる演奏ということだ。ここには妙な気負いも分析も表向きはほとんど感じられらず、ごくごく自然に楚々と音楽が流れていく....うーむ、実に新鮮だ。
また、この弦楽四重奏団、テクニック的にもなかなか凄いものがありそうなのだが、ちょっとくすんだような落ちついた音色やリズム感があるようで、この落ち着き払った雰囲気は、ひょっとすると曲の現代化、古典化もさることながら、このグループの個性に追うところが大きいのかもしれない。ともあれ、ここにはブーレーズのような激しさ、アサートンの生真面目さ、ラサールの鋭角的といった、尖った雰囲気まったくない。まるでニューエイジ・ミュージックとして使えそうなくらい角のない、穏やかな演奏なのである。先ほど聴いたラサールの演奏はずいぶん現代的だと思ったが、ひょっとするとあれも今では昔のスタイルということなのだろうか。
演奏だが、とにかく耳障りなところがない、穏やかで滑らかな演奏で、「今の時代、「浄夜」はこう演奏するものなのか」と思うほど、これまで聴いた3種の演奏とは違う趣を持っている。「浄夜」といえは、昔からシェーンベルク唯一の有名曲として、BGM的な聴かれ方すらしてきた曲だし、今更古典化もなにもないだろうと思っていたのだが、マーラー同様、時代の変遷に伴ってその曲の演奏スタイルも確実に変化していたという訳である。ひとくちにいえば、この曲の随所にある「何もそこまで」的に容赦のない表現主義的に激しいところをオブラートにつつみ、ごくごくスタンダードなロマン派的音楽の流れの中で、それを自然に溶け込ませたような演奏とでもいったらいいだろうか。早い話、まるでチャイコの「弦楽セレナーデ」か演奏する時のように、既に完全に古典化した曲を当たり前に演奏する自然な感覚が感じられる演奏ということだ。ここには妙な気負いも分析も表向きはほとんど感じられらず、ごくごく自然に楚々と音楽が流れていく....うーむ、実に新鮮だ。
また、この弦楽四重奏団、テクニック的にもなかなか凄いものがありそうなのだが、ちょっとくすんだような落ちついた音色やリズム感があるようで、この落ち着き払った雰囲気は、ひょっとすると曲の現代化、古典化もさることながら、このグループの個性に追うところが大きいのかもしれない。ともあれ、ここにはブーレーズのような激しさ、アサートンの生真面目さ、ラサールの鋭角的といった、尖った雰囲気まったくない。まるでニューエイジ・ミュージックとして使えそうなくらい角のない、穏やかな演奏なのである。先ほど聴いたラサールの演奏はずいぶん現代的だと思ったが、ひょっとするとあれも今では昔のスタイルということなのだろうか。