私が持っている「ペレアスとメリザンド」としては、これが8枚目で最後のものとなります。かれこれ2年に彼とフィラデルフィア管のワーグナー集を聴いて感心したもので、その直後に購入したので、例によって放置してあり(困ったもんです。ティーレマンで放置といえば、「トリスタンとイゾルデ」あるんですよね-笑)、本日ようやっと開封して聴いたという訳です。この演奏は、99年にベルリン・ドイツ・オペラを振っての演奏となりますが、前述のワーグナー集と同様、奇をてらったところのない正統派の演奏で、現代に甦った独襖伝統の解釈という感じがします。
ともかく、非常に安定感のあるピラミッド状のオーケストラ・サウンドと瑞々しいフレージング、ハーモニーが印象的な演奏で、もう何度も書いていることなので気がひけるのですが、この作品の前衛性やエキセントリックなところは全て解決して、ワーグナーからマーラーやリヒャルト・シュトラウスと続いたドイツの後期ロマン派的な音楽のロジックに、この作品を無理なく収めきった演奏ともいえるかもしれません。ひょっとしたらリヒャルト・シュトラウスより保守的に聴こえるくらい伝統的な表情、雰囲気が感じられるほどです。このあたりは、年月の経過による作品の熟成ということもあるでしょうが、作品の中から大きなうねりのようなものを見いだして、大河的な流れの中、伝統的な表情でこれを演奏したこの指揮者のセンスというのもやはり看過できないところだと思います。
ちなみにこのアルバム、フィルアップにはワーグナーの「ジークフリート牧歌」が収められていますが、続けて聴いても全く違和感がないのは、ティーレマンがまさに「ジークフリート牧歌」と同類の音楽として「ペレアス」を解釈しているからでしょう。それも無理してそう解釈しているのではなく、ごくごく自然にそうなっているところが、この指揮者の世代でもあり、また優れたところでもあるんでしょうね。
ともかく、非常に安定感のあるピラミッド状のオーケストラ・サウンドと瑞々しいフレージング、ハーモニーが印象的な演奏で、もう何度も書いていることなので気がひけるのですが、この作品の前衛性やエキセントリックなところは全て解決して、ワーグナーからマーラーやリヒャルト・シュトラウスと続いたドイツの後期ロマン派的な音楽のロジックに、この作品を無理なく収めきった演奏ともいえるかもしれません。ひょっとしたらリヒャルト・シュトラウスより保守的に聴こえるくらい伝統的な表情、雰囲気が感じられるほどです。このあたりは、年月の経過による作品の熟成ということもあるでしょうが、作品の中から大きなうねりのようなものを見いだして、大河的な流れの中、伝統的な表情でこれを演奏したこの指揮者のセンスというのもやはり看過できないところだと思います。
ちなみにこのアルバム、フィルアップにはワーグナーの「ジークフリート牧歌」が収められていますが、続けて聴いても全く違和感がないのは、ティーレマンがまさに「ジークフリート牧歌」と同類の音楽として「ペレアス」を解釈しているからでしょう。それも無理してそう解釈しているのではなく、ごくごく自然にそうなっているところが、この指揮者の世代でもあり、また優れたところでもあるんでしょうね。