大相撲九州場所が日馬富士の優勝で終わった、常にないトピックスを残しました、大横綱であり理事長の北の湖の急逝
と横綱白鳳の「猫だまし」という注文相撲が話題になりました、北の湖理事長の62歳という癌闘病死は痛ましくも壮
絶な現役中の死であり、心からの哀悼の意を表したいと思います、
さて、もう一方の相撲わざ「猫だまし」については新聞を賛否両論でにぎやかにしたが、亡くなった北の湖理事長は
白鳳が栃煌山におこなった「猫だまし」について横綱が下手に使うようなわざではないと苦言を呈したということで
した、白鳳にとっては理事長からの苦言にもはや謝罪や言い開きできる機会を永久に失ってしまったという苦い結果
となってしまった、さて、わたしの意見は、「猫だまし」は叩き込みのような決め技ではなく、相手の意表を突き、
つまり目くらましであり、咄嗟のスキを起こさせて次の決め技で勝負をつけるもの、しかも相手の体に触れることな
く意表を突くという力相撲とは全く異なった技であるという特徴に注目します、確かに相撲四十八手の中に認められ
ている手ではあるが何となく勝負の決め技ではない前処理のように思える、横綱には相手のスキが未然にわかる技量
が備わっているはず、または引き出せる力量を有する優位のわざ士であるはず、よって相手の体に触れずに目くらま
し「猫だまし」でスキを起こさせる必要はもとから必要ないはずだ、そうでないならばもはや横綱の力量が失せてい
ることを満場の客の前で晒したというほかはない、しかも、あの後の白鳳の二番の相撲はなにか気が抜けたように感
じられた(負けた)、それはあたかも「猫だまし」がブーメランのように自らに反ってきたようにも感じられた、
これが横綱という絶対優位に立つ力士が「猫だまし」という空気わざに込められた恐るべき作用を味わった証拠では
なかろうか、実に恐ろしいわざだ、「猫だまし」が他の叩き込みや変わりわざのような注文相撲と決定的に違う特徴
がはっきりしたように思う、よって横綱というか番付優位に立つ力士が下位の相手に「猫だまし」を使った結果がど
のようなものかはもうこれ以上に書く必要がないと思う、なお、負けた栃煌山は確かに面食らって負けた直後は渋い
顔をしていたがそれ以上の不平を言う様子も感じられず悠然と土俵を去った、天晴ではなかろうか