昨日、こんな料理を作りました。
これだけ見たら単なる餃子ですが、
すっごい時間がかかりました。
というのは、具が冬瓜でして・・・。
千切りにした200gの冬瓜を塩もみして、水気をしぼり、
80gにし、餃子の具にしたのです。
シャキシャキして、とてもおいしかったですよ。
で、これをFacebookに投稿したところ、こんなコメントをいただきました。
「中国の方は冬瓜をとても珍重し、喜びます。
ある会食で冬瓜のスープか何かがあったのですが、
一緒に参加していた中国人の友人一行は大騒ぎしていました。
なぜかは聞きそびれましたが、中国の方が知ったらこの餃子は大騒ぎかもですね。」
このコメントを読んで、また私の好奇心が動き出し、
中国人と冬瓜の関係を調べてみたくなりました。
まず、薬膳的な見地から行くと、
●体の熱を冷まし水分を増やして暑気あたりを予防する。
●利尿作用で浮腫みを予防する。
でも、医食同源の中国で暮らす人なら、
このくらいの知識はお持ちでしょうから、
きっと、普段の生活の中でも上手に取り入れているはず・・・。
会食のスープに大騒ぎするはずがない。
そこで、思いついたのがあの装飾を施した冬瓜の器に入った
冬瓜のスープです。
こんな感じの・・・。(画像お借りしました。)
この冬瓜のスープは下ごしらえに時間がかかり、
また少人数では食べきれないので、予約でしか受け付けないお店も多いとか・・・。
でも、会食に出席するような知識人たちが、
予約しなければ食べられないスープが出たくらいで大喜びするだろうか?
このスープには、もっと歴史的な意味があるのでは・・・。
このスープについて調べていたら、「冬瓜盅」という言葉に出逢いました。
「盅」には「さかずき」の意味があり、
「冬瓜盅」とは冬瓜を器にした料理のことです。
その作り方は冬瓜の上部を切り取って中のワタを除き、
この中に具材とスープを注いで冬瓜ごと蒸し上げ、
食べるときには内側の果肉をスプーンでえぐり取って碗に盛り、
中のスープを具材ごと注ぎ入れてお客様に配る・・・と書かれています。
まさに写真のような料理ですよね。
で、このお料理は西太后が愛した「西瓜盅」が元になっているという記述を見つけました。
これは西太后が愛した夏の瓜料理のひとつで、
冬瓜ではなく西瓜(すいか)で作られます。
作り方は西瓜の果肉をすべて取り出し、
この中にさいの目に切った鶏と中国ハム、新鮮な蓮の実、龍眼、
胡桃、松の実、杏仁などを入れて蓋をした後、
何時間も湯煎にして加熱するというものです。
そして、この「西瓜盅」はやがて各地に伝来して「冬瓜盅」に変化したとも、
宮廷料理の中で「冬瓜盅」が考案されたとも言われています。
薬膳的な効能はもちろんのこと、
昔はほんの一部の高貴な人しか口にできなかったこのお料理に
中国の方は特別な思いがあるのかもしれません。
以上、夏の終わりの自由研究でした。(^-^)