”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

野菜の廃棄

2010-03-29 11:40:16 | “農”

2005年の8月下旬、キャベツの産地廃棄のニュースが流れた。

野菜ソムリエの試験のために猛勉強していた頃だったので、

群馬県嬬恋村のキャベツ畑にトレーラーが入り、

キャベツを踏みつぶしていく光景にショックを受けた。

その時は、何もわからずに、ただ

「もったいない。ザワークラウトにすればいいのに・・・。」

「学校給食用に提供してあげればいいのに・・・。」

などと考えたものだ。

収穫間際まで育てたキャベツをつぶすことがつらいのは、

農家にとって、当たり前のこと。

しかし、輸送費などを考えると、赤字で出荷するわけにはいかない。

野菜ソムリエになってからも、あの光景が頭から離れず、

野菜の産地廃棄についての勉強会にも参加した。

好天続きで野菜の出荷量が増えると、価格は下がっていく。

その場合、突然廃棄が行われるわけではない。

最初は、出荷を遅らせて様子を見る。

その次に、野菜を加工用に回す。

それでも、追いつかないとわかったら、

最後の手段として、産地廃棄が行われるのである。

しかし、野菜の廃棄は、指定産地だけで行われているわけではない。

「うちなんか、野菜の廃棄はほぼ毎日だよ。」

と、知り合いの施設農園の方がおっしゃった。

Cimg2404

指定産地の農家なら、廃棄した分、交付金が支払われる。

しかし、そうではない農家もたくさんいる。

その現状を知ってから、私は軽はずみに

「もったいない。」とか「かわいそう・・・」とか言えなくなった。

季節は動いている。

野菜を畑に残したままでは、次の野菜の苗が植えられないのである。

※指定産地とは

14種類の指定野菜(白菜・キャベツ・大根・ほうれん草・里芋・玉ねぎ・

ねぎ・レタス・きゅうり・ピーマン・なす・トマト・にんじん・じゃがいも)

を安定的に確保するために定められた集団産地のことです。

コメント
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