ようやく暑さが少し和らぎはじめました
ただいま、わが八重葎庵は芙蓉が満開、
一花にしか過ぎませんが、まさに繚乱です、
ここしばらく、八重葎庵あらため芙蓉庵であります
よろしければ写真をクリックして、わが庵の芙蓉を愛でてくださいませ
おや、芙蓉クンたちが何か言っているようです
みなさま、お忙しいことと存じますが聞いてやってください
みなさん、こんにちは
私たちは草深き八重葎の庵に咲く芙蓉です
私たちは早寝早起きのお手本中のお手本です
朝の光がさすころにもうすっかり目が覚めていて
花びらを目いっぱいに開きます
ですから、私たちは一番美しいのは朝方です
朝露に濡れて朝日に輝く私たちの姿は、
自画自賛は決して私たち控えめな芙蓉の趣味でありませんが
確かにたとえようもなく美しく鮮やかです
でも、この庵の主のシティボーイを自称するGGIとかいうむさくるしいオッサンあるいはオジンは、私たちの一番麗しきこの瞬間を目にしたことがほとんどないのです
私たちとまったく正反対の暮らしをしているからです
このオッサン、超夜更かしの朝寝坊の悪しき見本です
ときおり朝方、オシッコにおきたついでにチラッとカーテンの間から、寝ぼけマナコで私たちの姿を目にするだけです
チラッと私たちを見て「君ら、えらい早起きやなあ、早起きしたら何かええことあるか?・・・」などとつぶやいてすぐに寝室に戻ってしまいます
私たちは早起きですので、午後3時ごろにはもう眠くなり、花びらをすぼめる準備に入ります
その頃になってGGIのオッサンが庵から出てきて庭を気まぐれに徘徊したあとどこかへでかけます
でかける前にときおり私たちを眺めたりするのですが、朝方と同じように私たちに向かって何かボソボソと独り言のようにつぶやきます
「君ら、もう寝る準備か・・・一日はまだこれからやぞ、清少納言も言うてるやろ、夏は夕暮れと・・・」
「ブー、夕暮れは秋、夏は夜でしょ!」
「そやそや、夏は夜やった、夜は冷たいビールや、夜は無限や、夜は妄想の園や、そうなのに君たち、もうオネンネか、気の毒やなあ」
GGIは憎まれ口をたたいてからどこかへ彷徨しにでかけていきます、
たいていは冷房の効いたどこかのカフェで「お~い。おばちゃん、遠いんや砂糖が、砂糖が遠い・・・」などとさけんだりしながらコーヒーを口にして、沈思黙考と称する無意味な時を過ごしているのです
GGIが庵に戻ってくるころには、私たちはすっかり花びらをしぼめて寝入っています
私たちとGGIと、どちらが正しい生き方であるのか、みなさんはお分かりだと思います
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やけに芙蓉クンたちはおしゃべりですね、まあ、 芙蓉クンたちが言っていることはともかく、芙蓉クンの容姿が端麗であることに変わりはありませぬ
グッドナイト・グッドラック!