UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

八月十五日:《カミカゼ》のいま・・・

2013-08-18 00:33:29 | 日記

先の大戦における核の使用という無差別大殺戮は戦争における集団的狂気を象徴するものです。

しかしながらが、わが帝国の軍隊が編み出した「特攻隊」という戦法も狂気に満ち満ちたものでした。人間そのものを、生身の兵士を、兵器と化するという戦法はこれまでにない異様極まるものでした。正規軍が人間そのものを兵器と化するという戦法をとったことがあるのはおそらく日本の軍隊だけではないかとGGIは思います。

兵士たちは志願したと言われていますが、実際には上官からの命令による強制であったと言うべきでありませう。「生きて還るな」という死刑宣告にも等しい命令といっては言い過ぎでせうか

今夜お見せいたしますのは神風特攻隊の壮行会の様子を撮った写真です。先日パラパラと写真集のページをめくっていて目にした写真です。「日本の戦跡」(毎聞社刊、昭和42年)という写真集から無断借用したものです、よろしければクリックしてご覧ください

写真の説明文は以下の通りです

《昭和19年10月20日、第一航空艦隊はつぎの命令を出した。「現戦況二鑑ミ艦上戦闘機26機(注・同艦隊の全兵力)ヲ以テ体当リ攻撃隊ヲ編成ス(中略)本攻撃隊ヲ神風(じんぷう)特別攻撃隊ト呼称ス」 発令者・命令者のうち大西滝治郎中尉のみが戦後自決した》

戦後、広島がヒロシマとして世界に知られるようになったのと同様に、神風も「カミカゼ」として広く世界に知られるようになりました。英語にもなっています。ランダムハウス英和辞典を見ますと「kamikaze:(元寇のとき蒙古軍を敗退させた)神風、神風特攻隊員、特攻機、無謀な人(こと)」とされており、形容詞として「無鉄砲な」(無謀な)という意味で使われ、たとえば a kamikaze attackは「自爆覚悟の攻撃」の意味とされています。

そして半世紀の時を経て、2001年9月11日、「カミカゼ」は突如よみがえりました。「9・11同時多発テロ」です、あれはまさに反米勢力によるアメリカという国家に対する「特別攻撃」、自爆攻撃でありました

そして、よみがえった「カミカゼ」はアフガン・イラク戦争という「テロとの戦い」と称される「非対称戦争」(注参照)の中で、軍事力に劣る非正規軍において多用され、「自爆テロ」として知られるようになり、今日に至っています

しかしながら、このように時代を経るなかで、「カミカゼ」という言葉が有する意味合いも変化しています

たとえば、コロンビアでは女性人権活動家たちが、性的暴力を受けた何千人もの女性たちの人権のために働いており、そのため、虐待され、脅迫され、殺されていますが、その一人であったアンへリカ・ベロさん(45歳)という女性は、生前、「コロンビアで人権活動家になることはイラクでカミカゼになるようなものだ」とその困難な状況を語っていました。

人権活動家としてコロンビアではよく知られた人物であった彼女は、民兵組織により性的奴隷の扱いを受けた自分の娘二人を、自分で交渉し奪回しましたが、後に彼女自身も民兵組織による報復と思われる性的暴力を受けました。彼女は米州人権委員会に救いを求め、また紛争中に性的暴行を受けた人たちを代表してサントス大統領との会議に出席し支援を求めていましたが、今年の2月、ボディガードの銃で自殺を図ったとされています。しかし、ほんとうに自殺だったのか疑問視されています。

世界のいたるところで、まだまだ「非対称」が存在しています。ですから、このコロンビアの女性のような「カミカゼ」が、これからも出てくることでありませう
 
いま、軍から銃撃されるのを覚悟で街頭に集まるエジプトの市民たちも「カミカゼ」なのかもしれません

(注:非対称戦争:非対称戦争(asymmetric war)とは、戦争の形態のひとつで、両交戦者間の軍事力、あるいは戦略または戦術が大幅に異なる戦争。その交戦様態が、正規軍同士ではない戦闘である点を特徴とし、相手と同じ戦術では勝利が困難な交戦集団が、相手にとって予想も対抗も困難な別の手段によって戦闘をしかけることで戦われる。一般に「テロ」やゲリラ戦という言葉で認識される場合が多い:ウィキペディアより)

グッドナイト・グッドラック
コメント
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