今日の日記は昨日の続きです
わがファザーの墓はJRの駅の裏手、湖を望むことができる高台にある市の墓地、その一角にあるカトリック教会の墓地のなかにあります
墓地の片隅にある東屋ふうの建物で簡単なミサが行われたあと、神父さんがお墓をひとつひとつ巡ってお祈りをしてくださいます、神父さんはメキシコの方でありますが日本語がかなり流暢です
神父さんのお世話をする方二人が左右に付き添います、片方の方が聖水の入った小さな壺を捧げ持ちます、お墓の前で神父さんは先端が球状になった短い棒のようなものを壺に入った聖水に浸してから墓石に向かって上下左右に振り、聖水を墓石に撒きます
まあ、この儀式、日本ふうに解釈いたしますと「お浄め」みたいなものでありませう、聖水を撒きおえますと神父さんは墓石に向かって簡単なお祈りをされます
炎天下、神父さんの墓巡りは順調に進行しておりましが、途中で壺の中に入れられている聖水が足りなくなったようです、壺に聖水を注ぎ足さなければなりません、そこで神父さんと付添の方が大声で叫びました
「聖水を持っている○○さん、聖水をこっちへ持って来てくださあ~い」
少し離れたところにいた○○さん、急いでやってきてかたわらから小さな容器を取り出し、壺に注ぎました
ところが、この聖水が入れられている容器は、何と小さなミネラルウォーターのペットボトルでありました・・・
邪推名人のGGIが考えますところ、この容器の中身はおそらくミネラルウォーターでありませう、おそらく聖水=どこかの飲料水メーカーのミネラルウォーターでありませう・・・
信仰なきGGIがとやかく言う筋合いのものではありませぬ、聖水がどこかの飲料水メーカーのお水であってはいけないなどと言うつもりは決してありませぬ、しかし、しかしであります、若干、ほんの若干ではりますが、GGIの邪推が当たってしまっているのであれば興醒であるというのがGGIのい正直なる感想であります
などと神父さんにはGGIの邪推に基づき若干失礼かもしれぬことを書いてしまいましたが、GGIはこの炎天下の野外ミサ、結構好きなのです
むかしむかし見ましたあるイタリア映画の一シーンを思いだしてしまうからです、題名は忘れましたが、場所はローマかどこか大きな街の再開発の工事現場のようなところ、そこで野外ミサが行われています、そのようすをうんざりした表情で所在無げに主役のマルチェロ・マストロヤンニが眺めているシーンです、そのうんざりぶりがなかなか秀逸であり、GGIの脳裏に何十年も焼き付いているのであります
うんざりした所在無げな様子を演じさせたらマルチェロ・マストロヤンニが世界一でありませう、カミュの原作を忠実に映画化したと言われる「異邦人」でもそうでありました、うだるような暑さのなか、アルジェ郊外の修道院で、亡くなった母親の遺体と会う許しが出るのを待っているあいだ、白い壁にもたれながら、暑さにうんざりした表情で所在無げに紫煙をくゆらせるムルソー役のマストロヤンニ、このシーンは原作以上のできでありました・・・
などと今夜も脱線してしまいましたが、よろしければ写真をクリックしてご覧くださいませ、
GGIのファザーのお墓に聖水を撒く神父さんです、隣のお墓にお参りに来られた方もファザーのために手を合わせてくれています、まことにありがたきことです、この炎天下の墓参に参上しなかったわがハラカラよ、心してこの写真をおがみなさい!
グッドナイト・グッドラック!