今年も八重葎庵に芙蓉の花が咲きはじめました
朝の光と風のなかで輝いています
いつもながらインターネットでカンニングいたしましたら、芙蓉はムクゲと同属の植物とのこと、このこともモノ知らぬGGIには初耳です
すなわち、芙蓉もムクゲもアオイ科フヨウ属の植物なのです、そしてフヨウ属の英名は何とハイビスカスでありました!これも知らなかったなあ・・・
むかし、わがマザーは、まだこの世に滞在しておりましたころ、毎年、夏から秋にかけて芙蓉の花が次から次に咲くのを、縁側の椅子に腰かけて愛でておりました
そして夏が過ぎ秋になりましても、よく縁側から庭を眺めておりました
花を愛でていたのではありませぬ、成りはじめた無花果の実を狙って突撃を試みる野鳥の群れとのバトルのためでありました
ところが残念なことに、マザー亡きあと、我が庵を建て替えるときに、解体屋さんの大きなトラックが庭に乗りいれ、無花果や金柑や梅の木とともに哀れ芙蓉の木も切り落とされたり踏み倒されてしまいました
惜しかったなあ、よく咲いたのにと思っておりましたが、種が散って広がったのでしょうか、いつの頃からか、庭はまんなかあたりで何本か芙蓉の木(と申しましても、幹というよりは茎と言う感じでありますが)が伸びはじめ、ふたたび我がガーデンの夏は芙蓉の花で飾られるようになりました
今年も咲きはじめた芙蓉の花を、あの失せ物メガネ君が鎮座しておりました窓から眺めておりましたら、ずいぶん以前に読んだことがある石垣りんの詩《幻の花》を思いだしました
幻の花
庭に
今年の菊が咲いた。
子供のとき、
季節は目の前に
ひとつしか展開しなかった。
今は見える
去年の菊。
おととしの菊。
十年前の菊。
遠くから
幻の花たちがあらわれ
今年の花を
連れ去ろうとしているのが見える。
ああこの菊も!
そうして別れる
私もまた何かの手に引かれて。
GGIも去年の花が、おととしの花が、その前の花が、少しずつ見える年頃になってしまいました
この詩、わが先代のブログでも紹介したことがあるのですが、芙蓉の花を眺めていて再び思いだしたというしだいです
石垣りん、とてもいい詩人でした
よろしければ写真をクリックして今年の芙蓉をご覧くださいませ
グッドナイト・グッドラック!