goo blog サービス終了のお知らせ 

透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

道祖神に色をつける

2014-04-12 | g 道祖神〇

 安曇野には何体くらいの道祖神があるのか。道祖神の数を正確に示すことは難しい。だが、このように数を問われた時は約600体と答えればよさそうだ。

道祖神には文字碑と双体像とがあって(*1)、双体像には抱肩握手像や祝言像、笏扇像などがある。中には像に色をつけた彩色道祖神もある。

今日(12日)の午前中、穂高の本郷地区で地元の子どもたちが道祖神や恵比寿像、大黒像に色をつける行事があった。







30分くらい要しただろうか、道祖神や恵比寿様、大黒様は子どもたちに化粧直しされてきれいになった。

真円のフレームのなかで男神と女神が互いに肩を抱き、握手をしている。そう、このタイプが抱肩握手像。右側の文字は安政五牛年、左側は三月吉祥日と読める。政は偏とつくりを分けて縦に配置している。以前にもこのような書き方を見たことがあったので、なんとか読むことができた。

安政五年は西暦で1858年、この年から翌年にかけて安政の大獄、幕府による弾圧が行われていると日本史の復習。

道祖神にいつ頃から彩色するようになったのか分からないが、江戸末期に祀られ道祖神が150年もの時を経て今なお地元の人たちに大切にされていることに感銘を受けた。


*1 他に陰陽石などもある。


「桜は本当に美しいのか」水原紫苑

2014-04-11 | g 読書日記



■ 先週の土曜日(5日)、日帰り東京した際、東京駅前のオアゾの丸善でこの本を買い求めた。「桜は本当に美しいのか」と改めて問われると答えに窮する。

**記紀・万葉の昔から、王朝文学、能・歌舞伎、近代文学、現代短歌、そして二一世紀の「桜ソング」まで―。「桜は美しい」という美意識は、実は「創られた伝統」であった。
桜が背負わされた人々の欲望の正体。** とカバー折り返しの文章にある。そうか・・・。

本書に収録されている読み慣れない万葉集や古今集の和歌を読み始めた。この歳になると理系的な素養より、文系的な素養の方が欠かせないと感じる。まあ、今更不勉強を嘆いても仕方無い。

本書で、どのようなプロセスで桜に「重荷」を負わせたのかが明かされる・・・。桜の季節に相応しい本。


 


「川あかり」葉室麟

2014-04-09 | g 読書日記



 いままでに読んだ葉室麟の時代小説の中で(といってもそれほど多くはないが)もっとも娯楽性のある作品、と感じた。帯にある通り、藩内で一番臆病者と言われている若い男が藩略もあって刺客を命じられる。到底果たせそうにない相手だが。さてどうなるか・・・。

川止めにあって、偶々安宿に居合せた連中は皆何やら訳あり・・・。彼らとの間に生まれる情、この場合は友情という陳腐な表現が一番相応しい。そう、これは楽しく、そしてちょっぴり切ない友情物語だ。

**七十郎は、顔に笑みを浮かべ、遠く青々とした山並みへ向かって足を踏み出した。**

この作家の他の作品と同様、ラストはさわやか、でもなんとなく寂しい・・・。


 


高砂天祖神社の狛犬

2014-04-08 | g 狛犬〇

週末東京6

 阿吽の吽形と、仁王像と同じように言うのかどうか、向かって左側の狛犬の台座に「東宮殿下 御外遊記念  大正十年十一月建之」とある。昭和天皇が皇太子であったこの年にヨーロッパを歴訪している。







この狛犬のように参道の方に顔を向けているものもあるし、正面を向いているものもある。狛犬にもいくつかの観察ポイントがあるのだろうが、まったく分からない・・・。が、自分なりに観察ポイントを見い出して楽しめはいいのだ。これは対象がなんであれ同じこと。狛犬の顔の表情を観察するだけでもいいではないか。

狛犬は平安時代に日本に伝わったという。火の見櫓のはじまりは江戸時代の前期、歴史の厚みが違う・・・。


 


代官山 蔦屋書店でビール!

2014-04-07 | g 旅行記〇

週末東京5


友人が送ってきてくれた写真をトリミングした。

 サントリー美術館でびっくり江戸絵画を鑑賞後、友人の提案で代官山の蔦谷書店へ。確か何か賞を受賞した書店で、建築雑誌にも取り上げられていたと記憶している(「新建築」2012/1)。

書店とカフェやラウンジが一体となって実に魅力的なスペースをつくっている。2階にあるAnjin(←こちら)はビールが飲めて軽く食事もできるスペース。書店の中で本に囲まれてビールするという、私のような本好きにはたまらないひと時をここで過ごした。

機能の異なるふたつの空間、一見無関係とも思える両者を一体化することで魅力的な空間を創り出す・・・、組合せの妙。

本とビールや料理が1枚のレシートにおさまっているなんて・・・。


 新宿駅でダッシュ! 最終のあずさに飛び乗った・・・。


471 葛飾区高砂の火の見櫓

2014-04-06 | g 火の見櫓観察記

週末東京2

国分寺市東恋ヶ窪の火の見櫓の次は葛飾区高砂の火の見櫓。上野から京成線で京成高砂駅へ。駅から徒歩で5、6分で火の見櫓の立っている天祖神社に到着。境内の裏側に出て全形を見る。すぐ脇の京成本線を電車が頻繁に通る。

 
471 東京都葛飾区高砂

ツートンカラー!屋根のてっぺんのデザインに注目。



櫓の柱を見張り台の上まで伸ばして屋根を支えるというタイプが多いが、これは見張り台の床から立てた鋼管柱で支えている。半鐘もちゃんと付いている。





シンプルな構成の脚。

梯子段の数と間隔(@300)から見張り台までの高さを約10.5メートルと概算した。総高は14メートルくらいだろう。





火の見櫓と狛犬のツーショット

狛犬のことについは皆目分からない。大正10年の狛犬ということだけ台座で確認した。


 


470 国分寺市東恋ヶ窪の火の見櫓

2014-04-06 | g 火の見櫓観察記

週末東京1

 昨日(5日)、松本発6時51分の特急スーパーあずさで東京へ。甲府盆地は春爛漫。富士山と桜、そして美しいフォルムの火の見櫓の組合せ、美しい!富士には火の見櫓がよく似合う(by 太宰 U1)。

国分寺駅から西武国分寺線で恋ヶ窪駅へ。全国で「恋」のつく駅名が4つあるそうで、恋ヶ窪はその内のひとつ。後は母恋駅(北海道)、恋し浜駅(岩手県)、恋山形駅(鳥取県)。


さて、いよいよ国分寺市東恋ヶ窪の火の見櫓とゴタイメ~ン!

 
470

緑の火の見櫓!鋼板フラットルーフ!がに股!



「所変われば火の見変わる」 こんなの見たことない。





がに股なのは駐車スペース確保のためか。隣の消防団詰所の屋外階段を上って踊り場へ。そこから上の小さな踊り場を経て見張り台に上るようになっている。



がに股の奥から前面道路方向を見る。





若葉色の火の見櫓と満開の桜のツーショット。 


 


― 松本市北深志の火の見櫓

2014-04-01 | g 火の見櫓観察記

「お願い うそでもいいから 本当のことを言って・・・ わたしのこと好き?」

4月1日 この問いにどう答えましょうか・・・




松本の街中に立っている数少ない火の見櫓の内の1基 140401夕方撮影



避雷針も蕨手もないすっきり屋根。



消防団詰所と比較すれば分かるが、この火の見櫓は脚が長い。

ブレースに丸鋼ではなく山形鋼が使われている。見張り台の床も小さな踊り場の床も鋼板張り。半鐘は既に無く、信号表示板も見当たらない。部材はリベット接合。かなり古い部類の火の見櫓ではないか。


 2回目