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透明タペストリー

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「「いき」の構造」九鬼周造

2020-07-24 | g ぼくはこんな本を読んできた〇

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 ブログのカバーを火の見櫓のある風景のスケッチに替えた。夏だから寒色系の色が良いだろうと思った。カバーのすぐ下に来る写真もこの本のような同系色が合う。

さて、「ぼくはこんな本を読んできた」だが、今回は『「いき」の構造』九鬼周造(岩波文庫2011年第52刷発行)

『「いき」の構造』という本があるということは前々から知ってはいたが、なぜか読む機会がなかった。ぼくがこの本を読んだのは2011年10月。ただし岩波文庫ではなく、講談社学術文庫で。その時に書いたブログの記事を再掲する。



「いき」とは何か・・・。九鬼周造は深く思索し、周到に論考する。

**運命によって「諦め」を得た「媚態」が「意気地」の自由に生きるのが「いき」である。人間の運命に対して曇らざる眼をもち、魂の自由に向かって悩ましい憧憬を懐く民族ならずしては媚態をして「いき」の様態を取らしむることはできない。「いき」の核心的意味は、その構造がわが民族存在の自己開示として把握されたときに、十全なる会得と理解とを得たのである。(160頁)**

広い意味での文化論。芸術論として読むこともできるし、人生論として読むこともできる。恋愛論として読むこともできるだろう。それほどボリュームがあるわけではないから、読むのにそれ程時間を要しない。再読してみたい1冊。


メモ:第5章「いき」の芸術的表現 では建築についてもかなり具体的に論考している。

 

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