透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― 火の見櫓の立地条件 

2014-07-13 | A 火の見櫓っておもしろい



 松本から上田の別所温泉へは国道254号で有料の三才山(みさやま)トンネルを抜けて、旧丸子町を走り、県道65号でもう一度有料の平井寺トンネルを抜けて行くルートが一般的だろう。その間、旧丸子町では国道沿いに火の見櫓が何基も立っていて、火の見国道とでも名付けたいくらいだ。

これは松本市の三才山地区に立っている火の見櫓。高台に立っているので遠くからでも見ることができる。

火の見櫓の立地条件として、見張り台から集落内を一望することができ、半鐘の音も伝わることがまず挙げられる。高台に建てると、この条件については有利だ。

一方、火災発生時には消防団員がいち早く火の見櫓に登って半鐘を叩かなくてはならない。従って交通の便の良いことろが好ましいが、高台では良くないことも多いだろう。

このように両条件相反することも少なくないわけで、火の見櫓の建設場所を選択する際、このようなことをどう折り合いをつけるか、地域の人たちはあれこれ意見を交わしたことだろう。中にはすんなり決まったところもあるだろうが・・・。

火の見櫓が集落のどのようなところに立っているのか、その立地に注目して分析してみたいと常々思っているが、そのためにはじっくり時間をかけて集落内を歩きまわったり、建設当時の事情を知る古老にヒアリングするなどの必要があり、なかなか実行できないでいる。


 今までの観察結果を踏まえるに、集落内の中心部の主要道路沿いや辻に背の高い火の見櫓を建てるというケースが多いように思う。ただしこれは単なる印象に過ぎないから、個々に分析してデータを示す必要があるだろう。


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