透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

小林古径邸

2011-07-10 | A あれこれ


小林古径邸 玄関へのアプローチ 大壁造のすっきりした外観 むくりのついた屋根の重なり


南側全景 

 日本画家の小林古径の作品、というと切手の絵柄にも用いられた「髪」がよく知られていますね。古径の最高傑作と評されています。「小林古径と髪」、この2語で画像検索すれば確認できます。上半身裸で正座している若い女性の長い髪、後ろからその髪を梳くショートカットの髪の女性。

 彼女たちの清々しい美しさがとても印象的な作品です。画題の通り長い髪が丁寧に描かれています。 上越市の高田公園内にある小林古径記念美術館でこの作品(複製画)を鑑賞しました。

昨日(9日)、上越市に出かけた目的のひとつが小林古径邸の見学でした。パンフレットによると、農家を改造したアトリエ(写真下)と共に東京都大田区馬込にあったそうですが、平成5年に解体されてしまいました。その解体部材を上越市が購入し、平成10年から高田公園内で復元工事が行われて、13年春に開館したとのことです。本邸は国の登録有形文化財に登録されています。

この本邸は吉田五十八によって設計されました。この建築家のことは詳しく知りませんが、渡欧して西欧の近代建築を見学し、日本の伝統的な建築の優れた文化性を再認識、帰国後は数寄屋建築の近代化に尽力しました。吉田流数寄屋というと、構成要素の少ない空間が特徴でしょうか。床の間も簡素ですっきりしています。


アトリエ全景


画室外観

アトリエの屋根はもともと茅葺きだったのですが(当時の様子を示す写真が展示されています)、現在はこのように銅板一文字葺きになっています。瓦棟は関東地方の民家によく見られる構法です。過去の記事


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