■ 先日読み終えた『身体知性』に収録されている著者の佐藤友亮氏と内田樹氏との対談で、人の情動や記憶をコンピューターに全部移行することができるかどうかということが語られていた。佐藤氏のこの問いかけに内田氏は原理的に不可能だと思うと答えていた。その理由を内田氏は記憶というのは実体ではないからとしていた。更にこのことについて氏は詳しく語っているが、ここには記さないでおく。
昨日(29日)、『脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦』渡辺正峰/中公新書 を書店で手にした。この本のまえがきに著者の渡辺氏は**未来のどこかの時点において、意識の移植が確立し、機械の中で第二の人生を送ることが可能になるのはほぼ間違いないと私は考えている。**と書いている。
意識とはなにか、記憶とはどう違うのか、この本を読み進まないことには分からないが、これは上掲した内田氏とはまったく違う見解ではないか。このSFが扱うようなテーマに興味を覚えて読み始めた。
**物質と電気的・化学的反応の集合体にすぎない脳から、なぜ意識は生まれるのか――。多くの哲学者や科学者を悩ませた「意識」という謎。本書は、この不可思議な領域へクオリヤやニューロンなどの知見を手掛かりに迫る。さらには実験成果などを踏まえ、人工意識の可能性に切り込む。(中略)人間と機械の関係が変わる未来を描きだす。**以上帯に書かれている本書の紹介文。
脳を物質と電気的・化学的反応の集合体にすぎないと分析的に捉えてしまうことになんとなく違和感を覚える。難しいテーマの本で、理解できる内容かどうか・・・。とにかく読んでみよう。