透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

安曇野の昔話

2015-10-01 | A 読書日記





■ 安曇野の昔話としてよく知られている『八面大王』と『泉 小太郎』。ものがたりの後の「解説」が読みたくて、昨日黒部ダムカレーを食べた国営アルプスあづみの公園で買い求めました。1冊540円(税込)でした。

『八面大王』の解説のタイトルは「都の将軍に退治された鬼」、『泉 小太郎』は「竜神の母とその子」です。

**坂上田村麻呂が退治した八面大王の本拠が魏石鬼岩窟だということは、八面大王は安曇氏の霊ということになります。現代の安曇野の人びとからは、自分たちの祖先のように思われている安曇氏も、中央の政権の舞台から退いた時代には、地方の「まつろわぬ神」として鬼のように扱われたのでしょうか。(後略)**(18頁)

**(前略) 一方、竜神は漁業とも深くかかわり、海を生業の場とする人びとの間でも竜神祭が広く行われています。古代に安曇野の開発に関わった中央の豪族・安曇氏が、その出自を海洋民族とすることから、この泉小太郎伝説も、海神信仰をもつ安曇氏によりもたらされたのではないかともいわれています。**(16、17頁)

そう、『八面大王』と『泉 小太郎』は共に安曇氏、安曇族にまつわるものがたりなんです。

絵本の奥付を見ると文・写真の担当は私の友人H君でした。 解説文をじっくり再読したいと思います。