透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「文明としての江戸システム」

2015-09-22 | A 読書日記



 講談社の「日本の歴史」全26巻は今から15年くらい前に刊行された。歴史に疎いことを自覚してそれをカバーしようなどと思ったのかどうか・・・、今となっては全巻購入の動機というか理由は分からない。

古代から中世を飛ばして近世は江戸時代の5巻のうち、『文明としての江戸システム』鬼頭 宏を読み始めた。

江戸システムとは馴染みのない言葉だが、本書の説明は 人間と、人間が作りだしたさまざまな装置群――道具・機械・建築物・制度・市場・習慣・宗教など――とが織りなす関係の総体、即ち生活総体のありようを文明システムと呼び、江戸時代をひとつの文明システムとして捉える。そして、この文明システムを「江戸システム」と呼ぶ と解される。

江戸システムの特徴が概括的に6つ挙げられていて、6番目に**江戸システムの自己完結的な発展は、ほぼ江戸時代中期に成熟を迎え、行き詰まりの後に、開国の必然性が意識される**(014頁)とある。 なるほど!

まだ読み始めたばかりだが、この巻は読み物としても面白い。