■ 作家・半藤一利氏の12回の特別講座をまとめた『幕末史』。幕末、ペリー来航から明治初期、西郷隆盛の死までの激動の25年間。
歴史に疎いので、例えば道祖神に彫り込まれている建立年(江戸末期が比較的多い)を見てもその頃、この国でどんなことが起きていたのか思い出すことができない。
「幕末史」に詳しければ、安政という年号から直ちに「安政の大獄」が浮かぶだろう。文久からは生麦事件、薩英戦争等々、昔日本史の教科書に出てきたいくつかの出来事が浮かんでくるだろう。まあ、この位のことは覚えているが(と見栄を張っておく)、その内容となるとあやしい。
「幕末史」を教科書で復習してもおもしろくない。ということで、『幕末史』半藤一利/新潮文庫を読んだ。文庫本で500頁、分厚い本をようやく読み終えた。歴史の解釈は人によって異なるから、半藤史観に基づく講義にも異論はあるだろう。
司馬遼太郎の「幕末維新もの」を読み直すのもいいかもしれないが、例えば『竜馬がゆく』文春文庫は全8巻、おもしろくて読みやすいとはいえこの長編を再読することはないだろう・・・。
でも幕末に起きた12の事件をあつかった『幕末』文春文庫などは読み直してもいいかもしれない。
さて、次は半藤一利氏の奥さん(半藤末利子さん、夏目漱石の孫)が書いた『漱石の長襦袢』文春文庫を読む。