透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

池田町の彩色道祖神

2012-12-09 | B 石神・石仏



池田町の彩色道祖神

花崗岩に彫り込んだ双体道祖神。 風化しやすい石質なのか、いや、私の文字を読みとる能力の無さ故、側面に彫り込んである建立年が読みとれなかった。かなりくずした文字だったが、二文字、安政と読めるようにも思ったが確信はない。

道祖神には平穏な暮らしを願う人々の気持ちが込められている。繰り返し彩色され続けてきている道祖神はその気持ちが何年も何年も引き継がれて今に至っていることを示している。


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笹子トンネルの事故を考える

2012-12-09 | A あれこれ

 先日の事故で通行止めが続いている中央自動車道の笹子トンネルについて、国土交通省と中日本高速道路が、年内を目標に仮復旧させる方針を明らかにしたことを知った。

9日付朝刊の1面に**笹子トンネル 下り線にも不具合 全天井板 撤去へ**という見出しの記事が載っている。そう、天井板を撤去しないことにはトンネルの安全性は担保できない。そうして下り線の対面通行による年内の仮復旧を目指すという。

今回の事故の原因については今後の調査によって明らかにされるだろうが、1975年の完成から既に37年も経過しており、天井板を吊る鋼材をコンクリート躯体に固定している接着系アンカーの付着力低下が主因だという指摘も出てきているようだ。

既に書いたことを繰り返すが、建築や土木で使われる材料や部品には性能が低下しないものはなく、経年劣化によって、いつか設計時に見込んでいた性能を下回ってしまう。だから性能が把握できる的確な点検(目視では到底無理)をして、性能保持のためのメンテナンスが必要になるわけだ。今回の事故ではその点検をおろそかにしていたわけで、ずさんな管理、安全軽視という批判を免れることはできない。

接着系アンカーのみに長期荷重を負担させるような構造、要するに天井板と隔壁板とで幅1.2メートルあたり2トン超にもなる重量物を接着系アンカーで吊り構造にしていることが妥当なのかどうかも検証されるだろう。

笹子トンネルについて天井のPC(プレキャストコンクリート)板を吊る構造について、私は知人に知り得た情報により安全率をチェックしてもらったが、得られた数値は予想よりかなり低かった。

施工から37年経過している現時点でのチェックにはコンクリートや接着系アンカーの付着力の経年劣化、吊り材が振動することの前者への影響などを考慮する必要があるが、これらの定量的な評価ができないので現時点での安全率をチェックするためには、現場でボルトの引き抜き試験等を実施して得られるデータを反映させることが必要になる。このようにして得られる安全率は施工時よりは当然低い数値になる。一体どの位になるだろう。

専門家でもない者が、これ以上事故を推量することは控えよう・・・。笹子トンネルの事故については本稿で終わりにする。


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