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透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

高田の雁木

2011-07-10 | g 建築を観察する 建築を学ぶ 建築を考える〇





 雁木。かつては東北から山陰にかけて雪国に広く分布していたのですが、その姿は次第に消えています。でも上越市の高田にはまだ雁木が残っていました。

持ち帰ったパンフレットによると高田の雁木は総延長が16kmで、全国一の長さなんだそうです。ここに高田の人びとの助け合い、ゆずり合いの精神、そして優しく、あたたかい心を見ることができます。高田の雁木のルーツは江戸前期にあるとのことですが、地元の人たちは雁木をそしてその精神を今日までずっと受け継いできたのですね。

通りに家が面していない場所でも写真のように雁木は途切れることなく続いていました。ポストが設置され、ポスターが張られ、柱に付けられた竹の花入れに花が飾られています。ここは地元の人びとのコミュニティー・スペースとしても機能している、そう思います。

人びとの日々の暮らしが通りの表情に程良く出ていること、そう、あくまでも適度に。これは魅力的なまちに欠かせない大切な要素だなって雁木通りを歩いて改めて思いました。


メモ)
・日本の道空間における私的領域と公的領域のあり方
・縁空間、中間領域
・リンケージ
・まちなみの魅力とは何か

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「ゑしんの里記念館」

2011-07-10 | g 建築を観察する 建築を学ぶ 建築を考える〇




 水庭と白いフレーム、たおやかな屋根


 繰り返しの美学なフレーム構成




■ 縁甲板型枠、出目地のコンクリート壁 
  壁の小口に「層」を重ねたと思わせるような池原さん流デザインが施されている。


 エントランスホール
  (館内は展示室を除き写真撮影が許可されています。)
   村野モダンなデザイン



 
 恵心尼廟所 仏教の世界観を表現するといわれる五輪塔  

下から上へ地、水、火、風、空とこの世の構成要素が重なる。五輪塔の案内板の英語表記が五重塔と同じPAGODAとなっていた。五輪塔は五重塔のルーツだと聞くがやはりそうか・・・。とすれば、五重塔の五層の屋根の意味も同じ、ということなのであろう。


「ゑしんの里記念館」 設計:池原義郎/新潟県上越市板倉区米増  

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小林古径邸

2011-07-10 | g 歴史的建造物〇


小林古径邸 玄関へのアプローチ 大壁造のすっきりした外観 むくりのついた屋根の重なり


南側全景 

 日本画家の小林古径の作品、というと切手の絵柄にも用いられた「髪」がよく知られていますね。古径の最高傑作と評されています。「小林古径と髪」、この2語で画像検索すれば確認できます。上半身裸で正座している若い女性の長い髪、後ろからその髪を梳くショートカットの髪の女性。

 彼女たちの清々しい美しさがとても印象的な作品です。画題の通り長い髪が丁寧に描かれています。 上越市の高田公園内にある小林古径記念美術館でこの作品(複製画)を鑑賞しました。

昨日(9日)、上越市に出かけた目的のひとつが小林古径邸の見学でした。パンフレットによると、農家を改造したアトリエ(写真下)と共に東京都大田区馬込にあったそうですが、平成5年に解体されてしまいました。その解体部材を上越市が購入し、平成10年から高田公園内で復元工事が行われて、13年春に開館したとのことです。本邸は国の登録有形文化財に登録されています。

この本邸は吉田五十八によって設計されました。この建築家のことは詳しく知りませんが、渡欧して西欧の近代建築を見学し、日本の伝統的な建築の優れた文化性を再認識、帰国後は数寄屋建築の近代化に尽力しました。吉田流数寄屋というと、構成要素の少ない空間が特徴でしょうか。床の間も簡素ですっきりしています。


アトリエ全景


画室外観

アトリエの屋根はもともと茅葺きだったのですが(当時の様子を示す写真が展示されています)、現在はこのように銅板一文字葺きになっています。瓦棟は関東地方の民家によく見られる構法です。過去の記事

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167~170 上越の火の見櫓

2011-07-10 | g 火の見櫓観察記


 火の見櫓センサーの感度がアップしたようです。 ^^v  昨日(9日)、上越市内で5基の火の見櫓を見つけました。誤作動が1回あって屋根上の飾りの塔が隣の建物越しに見えた時に火の見櫓の屋根と間違えましたが・・・。4基の写真を掲載します。



167 ①


「ゑしんの里記念館」@上越市板倉区近くの火の見櫓

新潟県内で初観察。3角形の櫓に4角形の見張り台と屋根という組み合わせは珍しい。細身の櫓 直線状の絞り込み 踊り場なし 櫓の外側に付けられた梯子。



168 ②

①の火の見櫓同様、「ゑしんの里記念館」の近くに立っている火の見櫓。①とは屋根の形が違う。火の見櫓の印象がかなり異なる。



169 ③

「ゑしんの里記念館」から高田公園へ移動中に見つけた。細身の櫓に見張り台が外付けされている。残念ながら老朽化が進んでいる。取り壊される運命か・・・。



170 ④

ここから高田公園まで車でおよそ10分。錆止め塗装の赤茶色が目立つ。屋根と見張り台が大きい「頭でっかち」の火の見櫓。屋根に蕨手の飾りあり。見張り台の手すり子にも環状バックル付きのブレースが使われている。やはり櫓の曲線的な絞り込みは美しい。脚部のアーチ状トラスも好ましい。


コメント (2)
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