透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

2009-09-21 | A 読書日記



 秋の大型連休の中日、午前中書店で本を探すも購入に至らず。で、自室の書棚から『草枕』を取り出してカフェ・シュトラッセへ。

**智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。** 

巻末の年譜を見ると漱石が作家活動をしたのはたったの十数年!。そうか・・・、知らなかった。それであれだけの名作を残したのだから驚きだ。いやいや、樋口一葉は一年ちょっとで『たけくらべ』『にごりえ』『大つごもり』『十三夜』などの傑作を書いた。

人生はその長短などにあまり意味がないのかな~。カフェの外の稲穂の波を眺めながらふと思った。

なぜ、漱石を読もうと思ったのだろう・・・。先頃再読した『こころ』はミステリー小説のようで面白かったが、この作品はどうも読みにくい。最後まで読みとおせるかどうか、今回も途中でパスしてしまうかもしれない。

でも・・・、日本を代表する作家をひとりだけ挙げよ、といわれればやはり漱石だろうな。

読書の秋、久しぶりに『我輩は猫である』を読んでみるか・・・。シュトラッセの看板猫(名前は何というんだろう・・・)を見ながら思った。


「長嶋と王50年目の告白」

2009-09-21 | A あれこれ

▽スーパーヒーローが初めて語る栄光と苦悩
▽長嶋・密室の猛特訓 王極秘メモ

テレビ欄に載っている番組紹介、「巨人、大鵬、卵焼き」な少年時代を過ごしたから、こんな見出しを付けられたらたまらない。

 昨晩(20日)NHKスペシャル「長嶋と王50年目の告白」を見た。

「天才・長嶋 努力家・王」というイメージが一般的だが、入団した当時の王はどうもそうではなかったらしい。打撃コーチだった荒川さんの証言とメモによれば麻雀ばかりしていたようだ。

一方長嶋もイメージとは違ってかなりの努力家だった、ということを知った。「練習する姿をファンに見せてはいけない、いいところだけを見せる」というポリシーの長嶋。

二人ともマスコミがつくり上げた「虚像」に近付こうと猛練習をし、「虚像」を保持しようと猛練習をしていたのだ。

王が荒川コーチと二人で一本足打法の猛特訓をしたことはよく知られている。その様子をテレビで見たこともあるが、長嶋の猛特訓の様子など見たことがなかった。

長嶋。天覧試合で阪神の村山からレフトスタンドに打ち込んだサヨナラホームラン。打球を捕って一塁に送球した後、右腕を伸ばしたまま一塁方向に走る姿・・・。いままでテレビで何回も放送された懐かしいシーンを昨晩も見ることができた。それだけで満足。

 脳梗塞の後遺症が残る長嶋の姿、やはり寂しい・・・。