透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ヒロシゲ・コードを解き明かす

2007-05-08 | A 読書日記


緑の回廊 
欅の新緑が鮮やかです。GW最終日、6日に撮りました。



「遠近両用」はメガネ、「遠近両描」は広重の浮世絵なんちゃって。

広重の大作「名所江戸百景」略して「江戸百」には名所という情報のほかにメッセージをコード(そうあの「ダ・ヴィンチ・コード」のコード)として埋め込むという二重構造がみられるという。この本ではその「ヒロシゲ・コード」を解き明かしている。

表紙の「浅草金龍山」(左)、雷門の「赤」と雪景色の「白」の組み合わせは何を意味しているのか・・・。「深川万年橋」(右)の亀は何?

著者の原信田実氏はヒロシゲ・コードをいとも簡単に解き明かしてみせる。いや実際は困難な作業なのかもしれないが、この本の謎解き文からそのような印象を受けた。

巻末には「江戸百」の全作品が掲載されている。近景と遠景のダイナミックな構図。著者によると近景にはその場所のシンボルを、遠景には広重の関心の対象を置くという構成の原理が見いだせるという。

連休明け早々なかなか面白い本と出合った。