昨日に引き続き、在日米大使館のホームページから「日米経済調和対話」初会合で米側が日本に要求した「米国側関心事項」を掲載します。(サイト管理者)
(7)■農業関連課題
残留農薬および農薬の使用:日本の最大残留基準値設定に関わる農薬の審査、農薬の収穫後利用に関わる枠組み、基準値違反に対する執行政策など、未解決の農薬関連の問題に対処することにより、新規に開発されたより安全な農薬のさらなる利用を促進し、日米両国の政府関係者の協力を促す。議論では、国際的な基準と慣行が考慮されるべきである。
有機農作物:科学に基づいた基準を有機農作物に使用される生産資材の環境への安全性の評価に適用し、有機農産物の貿易の強化を目的に現行の残留農薬政策を修正し、さらに両国市場において有機農産物の表示に取り組むために協力する。
食品添加物:日米両政府の協力体制を強化するとともに、FAO/WHO合同食品添加物専門会議によって安全と認められており、かつ世界各国で使用されている46種類の食品添加物の審査を完了することにより貿易を促進する。現在、6種類の食品添加物の審査が終了していない。
ゼラチン:ゼラチンの市場へのアクセスを提供することによって科学に基づいた国際的なガイドラインと整合性を持たせる。
(8)■競争政策
執行の有効性:調停手続きの導入、過度な独占禁止法(独禁法)適用除外の廃止、企業結合の審査における効率性および透明性の改善、大学院レベルの経済学の教育を受けた職員の増強、適切な執行問題に関する外部専門家の採用、独禁法に関する裁判官向け教育プログラムの構築などを通じ、効果的な独禁法の執行プログラムがもたらす利益を増大させる。
手続きの公正性:公正取引委員会(公取委)の行政審判や司法審査制度の改革、公取委の執行上の必要性に沿った形での公取委調査における保護手続きの強化、公取委が命令を出す前に企業が疑惑に対して申し立てを行なう十分な機会の確保などを含む、公取委の行政および調査過程の手続きの公平性と透明性の改善を通じて、公取委の執行決定に対する信頼性を高める。
談合:特に調達担当職員の利益相反を排除するための規定の強化や、官製談合を排除する取り組みの促進、公取委の課徴金減免制度の適用が認められた企業に対する行政措置減免制度の拡大などの措置を通じて、政府調達における競争を促進し談合を排除する。
(9)■ビジネス法制環境
国境を越えたM&A:対日M&A活動を阻害している可能性のある法律、規制ならびに税制上の要件の見直しや、買収防衛策の導入に際しての一般的な株主利益の保護強化などの取り組みを通じて、日本がより活発な対日M&A活動から恩恵を受けられるようにする。
コーポレートガバナンス:真に独立した取締役の役割強化、株主投票のメカニズムの有効性の向上、企業開示の充実および少数株主保護の強化などの国際的なベストプラクティスの促進を通じて、効率的な商慣行および株主に対する経営の説明責任を改善する。
法務サービス:外国法事務弁護士(外弁)による専門職法人の設立を認めること、外弁の法律事務所が国内に複数の支所を設置することを認めること、インターナショナル・リーガル・パートナーシップにおいて弁護士が対等なメンバーになることを認めること、また外弁の資格要件の見直しを行なったり認可手続きおよび報告義務の簡素化を図ること等によって、日本における国際的法務サービスへのアクセスを拡大する。
(つづく)
【出典参考】2011年3月5日付け「しんぶん赤旗」、在日米大使館のホームページ
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