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9条2項を空文化する自民改憲案のトリックに注意!!

2023年05月16日 | 国際・政治
76年目となる今年の「憲法記念日」の5月3日、各メディアの「憲法」に関する世論調査を紹介しました。各メディアで設問の仕方が違うので、分かりにくいのですが、このほど、2023年5月14日付け「しんぶん赤旗」で「9条2項空文化 危険な改憲案――世論欺く自民のトリック」と題する記事が紹介されました。それによると、「毎日新聞」でも「読売新聞」でも、「憲法改正」に対し賛成よりも「反対」が多いのに、自民党の「改憲案」=9条1、2項を残したうえで、「9条の2」として「自衛隊を明記する」という案に対しては「賛成」が「反対」を上回っているのです。しかし、これは「9条2項を空文化」する危険な改憲案であり、自民党の、正確には安倍晋三元首相の、世論を欺くトリックだと指摘しています。。
その意味はなぜか、各メディアの世論調査をどう見たらいいか、そこで、2023年5月14日付け「しんぶん赤旗」から記事を転載させていただき、紹介することにします。(サイト管理者)


※以下、転載はじめ↓


<9条2項空文化 危険な改憲案――世論欺く自民のトリック>


報道各社が5月3日に発表した憲法に関する世論調査で、警戒すべき動きがあります。9条改定に「反対」が多いのに、自民党の9条改憲案(※1)に「賛成」が多くなっています。
  
「毎日」は、「岸田首相の在任中に憲法改正を行うことに賛成ですか」との質問に、「賛成」が35%、「反対」が47%で、大軍拡を進める岸田改憲への警戒感が表れています。ところが憲法9条に関連して、「憲法9条を改正して自衛隊の存在を明記することに賛成ですか」との問いには 「賛成」55%、「反対」31%でした。
  
「読売」は、「憲法9条について今後、どうすればよいと思いますか」との質問に、「9条を改正する」が43%に対して、「これまで通り、解釈や運用で対応する」が37%、「第9条を厳密に守り、解釈や運用では対応しない」が15%で非改正派が52%でした。ところが「自民党は、戦力を持たないことを定めた憲法9条2項を維持したうえで、自衛隊の根拠規定を追加する案を検討しています。この案に賛成ですか、反対ですか」との問いに、「賛成」54%、「反対」38%となっています。


■結果どう見たら
 
改憲そのもの、あるいは9条改憲に「反対」が多数の調査結果の中で、「9条に自衛隊を明記する」という自民党の9条改憲たたき台案の方向に対して「賛成」が多数となっています。
 
このような結果をどう見たらよいのでしょうか。
 
9条改憲に反対・消極的な人も、「9条2項を残し自衛隊を明記する」もしくは「9条に自衛隊を明記する」だけなら、9条を改憲しても現状と変わらないと考えている可能性が高いということです。

ここには、自民党改憲案のトリックの影響が表れていることに注意が必要です。

自民党案では、現在の9条1、2項(※2)に続けて「第9条の2」として「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず」としています。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(※1)<自民党改憲案>

9条の2
 
前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「前条の規定」=「9条1、2項」は、「必要な自衛の措置を妨げない」とするものです。
 
9条2項は残るし、書き込まれるのは「国防軍」ではなく「自衛隊」だとしても、その自衛隊には、9条2項の戦力不保持・交戦権否認の規定が及ばない仕組みです。

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<自民党改憲案2項空文化のトリック>

「前条の規定(9条1項、2項)は、…必要な自衛の措置をとることを妨げず」
           ▼
9条2項は、自衛権の行使に制約を加えるものではない
           ▼
自衛隊は無制限の海外での武力行使も可能に

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

こうなると2項の戦力不保持・交戦権否認の規定は残っても、自衛隊は「戦力」であってよく、「交戦権」の行使も可能ということになります。「必要最小限度」という自衛隊の武力行使への制約も消え「必要な」措置が行使できるようになります。

これでは2項は残っても空文化してしまいます。
   

■制約も突破され 

憲法に書き込まれる「自衛隊」は、安倍政権のもとで集団的自衛権の行使が可能とされ、岸田政権のもとで「専守防衛」を投げ捨て敵基地攻撃能力の保有へと突き進む自衛隊です。
 
この自衛隊の憲法への明記は、憲法の「制約」を解釈で突破するという立憲主義破壊を追認するものです。

それだけにとどまりません。現状でも9条2項のもと、無制限な集団的自衛権はなお禁じられ、海外派兵もできないという制約が残っていますが、自民党改憲案のもとでは残されたわずかな制約も突破されます。無制限の海外での武力行使を可能にするのが狙いです。
   

■国民の反発恐れ  

「9条1、2項を残して自衛隊を明記する」案は、安倍晋三首相(当時)が2017年5月3日に表明したもの。それまで「9条2項を削除」するとしていた自民党改憲案を「修正」するものでした。
 
「2項削除」に対する国民の反発を恐れ、連立を組む公明党との連携に配慮したものでした。


【出典】2023年5月14日付け「しんぶん赤旗」



(※2)憲法9条とは:第1章「天皇」の規定の次に、第2章「戦争の放棄」として、第9条(1項)と2項からなっています。

第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



※平和、いのち、くらしを壊す 大軍拡・大増税に反対しよう!
■署名用紙は下記「憲法共同センター」ホームページから
https://www.kyodo-center.jp/wp-content/uploads/2023/01/20230123shomei.pdf


※ #統一教会の宗教法人解散を求めます
■署名活動はオンライン署名サイト「Chage.org」で行われます。
https://chng.it/YYVtM9Wr8G



※ #ロシアはウクライナ侵略をやめろ!



※新たな「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力を。

(9条改憲NO!全国市民アクション)http://kaikenno.com/?p=1826
■これまで取り組んできた「安倍9条改憲反対!改憲発議に反対する全国緊急署名」に変え、新しい情勢に合わせた「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みます。
■ネット署名 
https://chng.it/R2YgNbLD
■署名用紙(プリントしてお使いください)
http://kaikenno.com/wp-content/uploads/2021/12/%E6%86%B2%E6%B3%95%E6%94%B9%E6%82%AA%E3%82%92%E8%A8%B1%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%84%E5%85%A8%E5%9B%BD%E7%BD%B2%E5%90%8D.pdf


2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効へ!
引き続き署名国・批准国を増やし、実効性ある条約に! 
♯日本政府は核兵器禁止条約に背をむけるな
♯米国など核保有国は核兵器禁止条約に参加、署名・批准を


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