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拙速審議に批判--憲法審査会始動にあたって各紙社説から(3)【東京新聞、中日新聞】

2011年12月14日 | 国際・政治

11月17日、衆院憲法審査会が2007年8月の設置後初の審議を開始したことを受けて翌18日の各紙社説では慎重な議論を求める声が集中しました。昨日に引き続き、各紙の社説をご紹介します。(サイト管理者)

■11月18日付け「東京新聞」、「中日新聞」

<憲法審査会始動 拙速避け議論に深みを>

衆院憲法審査会が初の審査会を開いた。設置から4年以上経過しての始動だが、憲法改正は今、緊急を要する政治課題ではない。拙速な議論は禍根を残す。じっくりと深みのある議論を望みたい。
衆院に続き、参院でも月内に憲法審査会が開かれる。東日本大震災からの復旧・復興や福島第一原発事故の収拾を優先させるべきときに「なぜ今、衆参両院で始めるのか」という唐突感は否めない。
憲法審査会は安倍内閣当時の2007年5月、憲法改正手続きを定めた国民投票法が成立したことを受けて衆参両院に設置されたが、民主党などが委員選任を拒み続けたため開かれていなかった。
今国会で初めて開かれるのは、憲法改正が必要だという要請ではなく、国会対策上の理由からだ。
つまり、「ねじれ国会」下で国会運営に苦しむ民主党政権が、自民、公明両党の協力を得るために両党の求める憲法審査会の始動に応じたというのが実情だ。
衆院の審査会では、かつて衆院憲法調査会長を務めた中山太郎元外相から憲法改正論議の経緯を聴き、各党が意見を表明した。
民主党の山花郁夫氏は、憲法改正論議は「震災復旧・復興の中、優先順位は相対的に下がる」と主張したのに対し、自民党の中谷元氏は「新しい時代に対応できる憲法改正を実現したい」と述べ、国民投票法が求める改憲手続きの整備を急ぐよう求めた。
しかし、国会に今、求められているのは、震災と原発事故から立ち直るために知恵を絞り、政治の力を結集することではないのか。
野田内閣発足直後の9月に行った共同通信世論調査では、優先して取り組む課題に憲法問題を挙げた人は2%足らずだった。憲法改正が喫緊の政治課題ではないと、まずはくぎを刺しておきたい。
とはいえ、憲法論議を封じ込めるべきではない。国の最高法規である憲法や法律を審議することは、国会本来の役割である。
最大の論点が九条であることは否定しない。自民党は自衛軍保持を明記する改正を目指すが戦争放棄という九条の理念は再評価されているのが実情だろう。
むしろ「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が、震災や原発事故の被災者、貧困や格差の拡大で苦しむ人々に保障されているのかに、目配せしてほしい。
現行憲法の理念や果たしてきた役割をめぐる議論が深まるなら、審査会を始動させる意義はある。
(つづく)

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